注文住宅の魅力としては、使いやすい間取りや設備を自ら決められる点が挙げられます。
今回は、新築の2階にトイレを設置するうえで、どのような点に目を向けておくべきか解説します。
2階にトイレがあるメリット・デメリットから設置費用の相場、スペースの取り方まで、さまざまな角度から見ていきましょう。
2階にトイレを設置するメリット・デメリット
一般的な2階建て住宅の場合、リビングのある1階にトイレを設けるケースが多いといえます。
ここでは、1階にトイレがあることを前提としたうえで、2階にもトイレを設けるメリット・デメリットを見ていきましょう。
2階にトイレを設置するメリット
2階にもトイレを設けるメリットは、何といってもトイレ待ちを避けられる点にあります。
特に通勤前や通学前の時間帯には、家族の人数が多ければ多いほどトイレの“渋滞”が気になってしまうものであり、それを緩和できる点は大きなメリットとなります。
また、2階に寝室がある間取りでは、就寝時にもトイレのたびに1階に下りる必要がなくなる点が魅力です。さらに、お客さんを招いたときにも、トイレが複数あれば気兼ねなく利用することができます。
2階にトイレを設置するデメリット
大きなデメリットとなるのは、住まいの間取りを圧迫してしまう点や、掃除やメンテナンスなどの手間がかかってしまうところです。
また、子どものいる家庭では、2階部分に子ども部屋とトイレを設けると、2階だけで1日のほとんどを過ごすことができるようになります。
そのため、家族のコミュニケーションを大切にしたい場合には、あえて2階にはトイレを設置しないのもひとつの選択肢となります。
2階トイレの設置場所はどこがベスト? パターン別に解説
2階にトイレを設けるのであれば、特に意識しておきたいのが設置場所に関するポイントです。
ここでは、住まいや家族構成のパターン別に適した設置場所を解説していきます。
パターン1:スペースにゆとりがあるケース
スペースに十分なゆとりがある場合には、室内の一部を利用して、廊下に隣接させた場所に設置するのがベストです。
建売住宅でも2階にトイレがある場合には、このケースであることが多いといえます。
パターン2:スペースにゆとりがないケース
室内のスペースにゆとりがない場合は、ベランダなどに空間を増やして増設する方法があります。
建ぺい率や容積率などの問題をクリアすれば、2階の生活空間を圧迫することなく、ゆったりとトイレのスペースを確保できるため有効な手段です。
ただ、外観への影響が大きく、外から見たときに違和感が生まれてしまうケースもあります。
パターン3:部屋の内部に設置するケース
2階にトイレを設ける際には、部屋の一部をスペースに充てる方法もあります。
高齢者などの利便性を考慮して、寝室のそばにトイレを設置したいと考える場合には、部屋の中に設けてしまったほうが便利なケースも少なくありません。
ただ、防音や防臭などの対策が必要となる点や、家族が利用する際に気を使う点には注意が必要です。
2階トイレの設置費用と工事期間の目安
2階トイレの設置費用は、配管の問題などにより、1階に設置するより割高になるのが一般的です。ここでは、2階トイレの設置費用の目安を見ていきましょう。
設置費用は50~100万円が相場
2階にトイレを設置するコストは、設置場所や家のつくりによっても異なるものの、50~100万円程度が費用の相場とされています。
1階トイレの真上にあれば費用を抑えられるなど、配管の繋ぎやすさによってもコストが異なるため、事前に施工会社と打ち合わせをしておくことが大切です。
なお、リフォームによって後付けをする場合、工期は5~7日程度が目安となります。ただ、新築時に設けるのと比較するとさまざまな工程が増えるため、結果的なコストは高くついてしまうケースが多いでしょう。
そのため、可能であれば、新築のタイミングで2階トイレの必要性を判断しておくことが理想的だといえます。
トイレにはどのくらいのスペースが必要?
2階にトイレを設ける際には、どのくらいのスペースを確保すべきなのかも重要なポイントとなります。
ここでは、トイレに必要な面積の目安や、スペースを左右するポイントについて解説していきます。
快適なトイレの面積とは
国土交通省の「住生活基本計画における居住面積水準」によれば、トイレに必要な面積は「1.15畳~1.3畳(1.8平米~2平米)」が目安とされています。
また、分譲マンションなどでは0.85畳、一般的な一戸建てでは1.1畳、広めの一戸建てでは1.6畳程度が目安であり、1.3畳以上あれば十分なゆとりがあるとされているのです。
一般的には利用率の高い1階よりも2階のほうが面積も狭く、収納を削って省スペース化が実現されているケースが多いといえます。
トイレのスペースを左右する2つのポイント
タンクの有無
省スペース化を考えるうえで、ひとつのポイントとなるのは「タンクの有無」です。水洗タンクのない「タンクレストイレ」は、通常よりも奥行きや高さが小さく、省スペース化に有効な設備だといえます。
ただ、2階は水圧が弱くなりがちであり、タンクレストイレが設置できない場合もあります。そのため、配管設備と併せて確認しておくことが大切です。
扉の種類
トイレのスペースを決めるもうひとつのポイントは「扉の種類」です。トイレドアには内開き、外開き、引き戸の3つがあり、扉の種類によって必要なスペースは異なります。
たとえば、内開きのドアの場合、トイレにはさらに広いスペースが必要となります。一方で、外開きのドアの場合は、トイレの入り口用に一定のスペースを設けなければなりません。
そうしたことから、省スペースを考慮したトイレには、引き戸タイプが適しているといえます。
高齢者向けのトイレにも引き戸がベスト
高齢者向けにトイレを設置する際にも、万が一に備えて引き戸を選ぶといいでしょう。
内開きのドアでは中で人が倒れてしまったときに外から開けることができず、外開きのドアでは車いすなどで入る際に不便です。
また、トイレまでの段差をなくしたり、通常よりも十分な広さを確保したりするなど、バリアフリーへの配慮も大切となります。
快適なトイレ空間をつくるために押さえておきたいポイント
快適なトイレ空間をつくるうえでは、設置場所やスペース以外にもいくつか目を向けておきたい点があります。トイレ設置の際に考えておくべきポイントを見ていきましょう。
窓の設置に関するポイント
換気や採光の面から、トイレには窓を設けるケースが多いといえます。しかし、間取りによっては、隣の家からトイレ内の様子が見えてしまう場合もあるため注意が必要です。
間取りの関係でどうしてもトイレの設置場所が隣家と近接してしまう場合には、カーテンやブラインドを使用したり、窓の代わりに換気扇を取り付けたりして対応しましょう。
収納場所に関するポイント
収納は、トイレの利便性を左右する重要なポイントとなります。
スペースの関係から、2階のトイレは収納場所が削られるケースも多いものの、トイレットペーパーなどの頻繁に使用する用品くらいは置ける場所がほしいと感じるものです。
大きな収納場所の確保が難しい場合には“ニッチ”を設けるのもひとつの方法です。
ニッチとは、壁の一部をくぼませて設ける飾り棚のことであり、花やインテリアのほかに、ちょっとしたトイレ用品を収納することもできるのです。
内装に関するポイント
内装はトイレの雰囲気を決める大切な要素です。スペースを広く見せるためには、白やベージュといった明るいパステルカラーを中心に選びましょう。
どうしても鮮やかな色合いを使用したい場合には、壁の一部にピンポイントで取り入れるのがコツです。また、壁と床に使用する素材は、水に強く掃除がしやすいものを選ぶことも大切となります。
防音に関するポイント
トイレをつくる場合は使用音も気にしなければならないため、防音対策が求められます。そのため設置するドアは、防音ドアがおすすめです。
特に引き戸の場合は、他の形式に比べて密閉性が低いため、防音対策が必要となります。
まとめ:2階トイレは設置場所やスペースの取り方が重要
- 2階トイレは家族同士の待ち時間を避けたり、来客時にも気兼ねなく使えたりする点がメリット
- 設置場所については、間取りやトイレ設置の目的などから慎重に考える
- 設置費用は1階よりも割高になるのが一般的であり、配管のしやすさなどによって異なる
- トイレのスペースは、タンクの有無や扉の種類から考える
- 窓の位置や収納場所の確保、内装、防音に関するポイントにも目を向けておく
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