2月20日から開催中のBlizzconlineにて、ハック&スラッシュRPGの金字塔『Diablo』シリーズの続編、『Diablo 4』の最新情報が公開されました。
『Diablo』は、悪魔によって荒廃した世界“サンクチュアリ”を舞台とした、ダークファンタジーシリーズ。プレイヤーは複数のクラスから1つを選び、生き残るためにサンクチュアリで戦いに身を投じていきます。
ハック&スラッシュの魅力といえば、装備やスキルを組み合わせた独自のビルドを構築や、それを生かしてさらに強い敵に挑むというゲームデザイン、そして群がる敵の群れを一掃する爽快感など。そんな魅力を世に知らしめた作品の最新作だけあって、本作への注目度はかなり高いといえます。
これまでもBlizzardの公式サイトなどで定期的に情報が発信されてきましたが、今回の発表では4つめとなるクラス“ローグ”が発表! 気になるプレイスタイルや、アイテムの構想などが、オンラインインタビューによって明らかになりました。
●動画:ディアブロ IV - 新クラス「ローグ」アナウンストレーラー
インタビューに答えてくれたのは、リードデザイナーのジョー・シェリー氏と、アートディレクターを務めるジョン・ミューラー氏。
新クラス“ローグ”のコンセプトや、アイテムシステムなどの濃い内容を開発者に直撃!
――ソーサレスのエンチャントシステムのような、ローグ独自のシステムにはどういったものがありますか?
ジョー・シェリー氏(以下、敬称略):ローグは多様性に長けており、さまざまなプレイスタイルを実現できるクラスです。その使い勝手の良さを象徴する特徴の1つが、“インビュー”というシステムです。
インビューは、冷気や毒、影の力などを武器に宿すことで、一時的なバフを与えるもの。例えば冷気を宿した場合、自分の体や武器の周りに氷のエフェクトが出現し、次の数回の攻撃には冷気の特性が追加されます。
前方に無数の矢を射る“バラージ”というスキルの場合であれば、インビューで冷気を付与していれば、発射した矢に冷気の特性が込められ、通常よりも多くの凍結効果をもたらします。
インビューは、1つの属性だけを加えることも、複数を組み合わせることも可能です。もちろん使わないという選択肢もあります。あくまでも戦闘中にバフを与える効果なので、自分のプレイスタイルや、戦況に合わせて使い分けるといいでしょう。
ジョン・ミューラー氏(以下、敬称略):空から矢の雨を降らす“レイン・オブ・アロー”に毒を付与するのは、開発陣の中でも人気のコンボですよ。素早く駆け抜ける“ダッシュ”のスキルに付けても面白いですね。
ジョー:COOPモードでマルチプレイを楽しむときには、より戦術の幅が広がるでしょう。例えば仲間にソーサレスがいる場合、冷気を付与することで凍結効果の手数を増やして、敵を素早く凍らせる、なんてこともできます。
このように、他のメンバーに合わせてスタンスを変えられるのも強みですね。また、ローグは近接武器と遠隔武器を常時装備しているため、使用するスキルを選ぶときは、全部遠隔にするのか、それとも全部近接にするのか、はたまた半々に使うのか、といった選択肢があります。
そのうえでインビューで付与する効果を決めることによって、自分好みのプレイスタイルを追求することができるのが、最大の特徴です。
そして、もう1つのシステムである“スペシャリゼーション”は、ローグとはどんな存在かをを体現するものといえます。これはフィールドでクラス用のクエストをこなすことにより、使えるようになります。
スペシャリゼーションには“コンボポイント”、“シャドウレルム”、“エクスプロイト・ウィックネス”の3種類があり、コンボポイントは連続攻撃、シャドウレルムは闇の領域に入ることによるステルス効果、エクスプロイト・ウィックネスは敵の弱点を暴き出す、といったイメージですね。
この3種類のなかから、自分のプレイスタイルの合わせてローグを特化させていくことになります。本作ではスキルポイントの振り直しは比較的自由にできるので、気分によって組み替えてもいいですね。
ジョン:さまざまな組み合わせを試し、模索していくことこそ本作の魅力です。組み合わせによっては、無数の敵の群れから特定の敵だけを引き離して、集中攻撃を浴びせて倒すことも可能であり、先ほどいったような、毒を付与して敵に毒をばらまくようなプレイも可能ですよ。
――新たに公開されたトレーラーでは、ローグが耳を集めているシーンがありました。昔のPvPでは、相手の耳を集める要素がありましたが、本作のPvPでも耳を集めて行く要素があるのでしょうか?
ジョー:耳を集めるのはローグの特権ではありません。すべてのクラスで耳を集めることができますよ。
『Diablo 2』では、PvPで倒した相手の名前のついた耳をコレクションすることが、一種のステータスになっていました。そういった感情をまた楽しめるように、『Diablo 2』のオマージュとして本作にもその要素を入れています。
――集めた耳は、トロフィー的な意味以外にも何か使い道はあるのでしょうか?
ジョー:耳そのものには、トロフィー以外のシステム的な意味はありません。オープンワールドの一部として、“憎悪の平原”(Field of Hatered)と呼ばれるPvP専用エリアがあるのですが、その中で敵や他のプレイヤーを倒すと、専用の破片を手に入れることができます。PvPの主な目的は、この破片を集めることとなります。
ジョン:例えば憎悪の平原で友達と遊んでいるとしましょう。ふと、友達のほうが自分よりも破片を多く持っていることに気付いてしまった。そんなとき、友達に襲いかかって破片を奪おうとすることも可能です。
ジョー:手に入れた破片は、エリアの特定の場所へ持っていき、浄化させる必要があります。
ただし、浄化中は無防備になりがちなので、そこを襲われるかもしれません。横取りを狙うプレイヤーもいるでしょうから。浄化した破片は町へ持っていくことで、PVP専用のアイテムや、特別な外見アイテムとの交換に使用できます。
――『Diablo 3』では、ストーリー後にアドベンチャーモードやネファリムリフトといったエンドコンテンツが解放されていきましたが、本作ではオープンワールドの構想がどのようにエンドコンテンツに関わってくるのでしょうか?
ジョー:最終的なエンドコンテンツは、『Diablo 3』が作ったものを基盤としつつ、いろいろ多様化させていきたいと考えています。前作同様、ダンジョンは依然として重要なコンテンツといえます。
そのため、エンドコンテンツのいくらかはダンジョンで行われることになるでしょう。ただし本作で描かれる世界はこれまでより広大なので、それをうまく使いたい。
オープンワールドであること生かして、PvPを遊んでみたり、多くのプレイヤーが必要になるワールドボスに挑んだりといった、さまざまなコンテンツを用意できるように開発を進めています。
――『Diablo 3』では、良くも悪くもビルドを作る=どのセットアイテムを用意するか、というように、アイテムへの依存度が高かった印象を受けました。一方で本作では、アイテムはクラスを定義しないというコンセプトだとお聞きしていますが、セットアイテム自体は本作でも登場するのでしょうか?
ジョー:セットアイテムの、ある程度数を揃えないと効果が発揮されないというコンセプトは『Diablo 3』ではよかったのですが、今回はプレイヤーの力というものを、装備の組み合わせに依存するものではなく、選んだスキルを重視したものにしたかったんです。
なので本作では、個々のアイテムを、プレイヤーの果たしたい役割に応じて選び抜き、独自の使いかたを発見してほしいと考えました。ランダムで付与される性能を見比べて、多少レアリティが劣っていても性能で優れているアイテムがあれば使ってみるなど、試行錯誤できる余地を残したかった。
一方でユニークアイテムは『Diablo』の世界観としても重要なものなので、見栄えのするカッコイイものとして作っています。
ジョン:装備に関してもう1つ重要なことは、装備を全部付けたときにどう見えるか、ちぐはぐ感を感じないような見栄えにできるかどうかです。今回のローグのカットシーンを例にとると、初代『Diablo』のような武具を付けることを意識しています。
我々アートチームが、オリジナルの16×16のドット絵を凝視して装備を作り上げました。『Diablo 4』では、グラフィックの向上やカットシーンの追加といった要素も積み重なり、装備の見栄えがすると気分が高まるんです。
ゲーム全体を通して、装備がコーディネートとして見栄えするようにしつつ、性能面でもうまくまとめられるように調整を進めているところです。
ジョー:セットアイテムについては、本作においてどのような役割を果たすのかまだ未知数なので、現段階ではまだ模索中といったところですね。
――ニュースレターなどで、最強ビルドを検索したらそれで完成、とはならないような成長要素を考えているとありましたが、現状ではどのような構想があるのか教えてください。
ジョー:いつの世代でも、「作ったビルドを見て欲しい」と言う人もいれば、「誰かが作ったビルドを使いたい」と言う人もいて、それはそれでいいと思います。
ただ、自分でシステムを掘り下げて、自分特有のビルドを構築してみて、自分のコンセプトに細部までこだわる人が楽しめて、かつ深く掘り下げていけるようなシステムを作りたい。そうすれば、テンプレートをみんなが使っているようなものにはならず、深みがでるのではないかと思います。
それをどう実現するかですが、レジェンダリーアイテムの仕様は『Diablo 3』と似ていますが、1つのアイテムにこだわらなくても良いように変更しました。
例えばソーサレスの“フローズン・オーブ”が強化されるブーツがあるとしましょう。一方で、“フローズン・オーブ”を強化するズボンも手に入ることがあるかもしれません。どちらか片方を持っていればいいわけですから、自分の持ち物に合わせてプレイヤーが取捨選択できます。
装備が集まっていくにつれ、どの装備を組み合わせて自分のキャラクターを作っていくか、というパズルが発生します。
加えてレジェンダリーアイテムの付加効果を、1つのクラスだけでなく、複数のクラスが使えるようなものにし、多様性を持たせました。
『Diablo 3』のセットアイテムのように、部位と数を固定されるようなものではなく、自分が持っているもので最善を尽くせるようなシステムを目指しています。ひとつのアイテムに複数の使い道を見出せるような形にすべく、努力しています。
――過去作のいい部分を踏襲しつつ、新たに『ディアブロIV』ならではの魅力もふんだんに盛り込まれた作品になりそうですね! 今から楽しみです。ありがとうございました。
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