Saturday, February 13, 2021

西村担当相は過剰演出嫌い? 感染防止、若者向け広報に苦慮 - 毎日新聞 - 毎日新聞

政府のコロナ対策推進室はホームページで若い世代を意識したさまざまな動画を紹介している

 新型コロナウイルスの感染拡大防止策を巡り、政府が若い世代への広報戦略に四苦八苦している。人が動くことが感染拡大につながるコロナへの対策では、活動が活発な若い世代の取り組みが鍵を握る。政府は、著名人による動画配信やSNSの活用などを進めている。だが、ネット上では思わぬ反発を買う恐れもある。リスクを避けつつ若者の心にメッセージを届けるのは容易ではなく、手探りが続いている。

「若い人」からの発信に期待

 「やさしい予防の輪を、ココから広げていきましょう」

 内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室は2月上旬、SNSを利用する若者らに、感染防止の取り組みを自ら発信してもらうキャンペーン「#keepsafefor」(アドレスはhttps://corona.go.jp/keepsafefor/)を始めた。

 感染防止に取り組む理由や、関連する写真をツイッターなどで投稿してもらい、利用者同士に共感の輪を広げるのが狙いだ。担当者は「身近な人の考えを知ることで、感染予防を人ごとではないと感じてほしい」と話す。

 コロナ対策では若い世代にいかに情報を届けるかが課題だ。特に昨年秋以降、比較的活動が活発な20~50代で感染が広がる傾向がみられた。

 こうした状況を受け、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は1月、SNSを通じて「日本の危機を救う立役者になってください」と発信。会話時のマスク着用や外出自粛の必要性などを説いた。

 尾身会長はさらに、1月27日の参院予算委員会に参考人として出席し、「新聞やテレビを見ない人が結構多い。若い人が若い人に伝えることが大事だ」と指摘した。

伸びぬ動画再生回数

 SNSの積極活用などについては、公明党青年委員会も1月、西村康稔経済再生担当相に提言。これを受けた西村氏は「私も20代の娘から『なかなか伝わっていない』と言われ、日々悩みながら対応している」と打ち明ける場面もあった。

 政府も、これまで何もしてこなかったわけではない。

 内閣官房は昨年7月に動画投稿サイト「ユーチューブ」にチャンネルを開設(https://www.youtube.com/channel/UCSbfb0q4ax5bAC-sXiPNR5A)。

コロナ対策を呼びかける動画に出演する読売ジャイアンツの菅野智之選手

 プロ野球・読売ジャイアンツの菅野智之投手やバーチャルアイドル「初音ミク」、企業経営者など計“9人”を「サポーター」に任命。サポーターが感染防止を呼びかける動画や、西村氏と尾身会長ら専門家の対談などの動画などを既に80本あまり配信してきた。

 しかし、開設以来の総再生回数は2月10日時点で約44万回にとどまる。これに対し、東京都がユーチューバーとして人気のお笑いタレントのフワちゃんと連携するなどした啓発動画は100万回以上再生されている。政府関係者は「動画を作っても拡散できていない」と反省する。

 一方、西村氏自身もツイッターで頻繁にコロナ関連の情報発信を続けているが、フォロワー数は約7万人。200万人以上の河野太郎行政改革担当相や安倍晋三前首相らに遠く及ばない。

 ただし、ネットでの発信には想定外の反感を買うこともあるだけに難しい。昨年12月に菅義偉首相がインターネット番組に出演した際にネット上などで親しまれる自身の愛称で「ガースーです」と自己紹介し、「緊張感がない」などと世論の猛反発を招いた。

 政府関係者は「真面目な西村大臣は過剰な演出は好まないはず」とそんたく。思い切った企画には手を出しにくいようだ。もともと政府はネットでの情報発信やその管理には慣れていない。だが、若い世代に情報を届けることは避けて通れない。この政府関係者は、こう話した。

 「どこまで腹をくくれるかが試されているのかもしれない」【竹地広憲】

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