Thursday, December 7, 2023

2万円台の格安パソコンを使ってみた、騒音は気になるが普段使いには十分な性能 - ITpro

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 大手EC(電子商取引)サイトには、2万円台で購入できる格安パソコンが販売されている。大手メーカーが販売するパソコンは安くても4万~5万円。比較すると、とてもお得に感じる。しかし「安かろう悪かろう」という言葉があるように、格安パソコンは普段使いに耐えられない可能性もある。そこで筆者は格安パソコンを自腹で購入し、使ってみることにした。

実質1万円台半ばで購入

 筆者が購入したのは、Beelinkのミニデスクトップパソコン「MINI S12」である。Beelinkは中国Shenzhen AZW Technologyが手掛けるブランドだ。Amazon.co.jpのタイムセール中に購入したため、価格は2万99円(税込み)だった。3000円引きのクーポンを使ったので、支払った金額は1万7099円。さらにセール期間中のためポイント還元率が高く、1476円分のポイントが付いた。結局、実質1万5623円で購入できたことになる。

Beelinkの格安パソコンを購入した。購入時の価格は実質1万5623円だった

Beelinkの格安パソコンを購入した。購入時の価格は実質1万5623円だった

(写真:筆者撮影)

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 購入したパソコンを箱から取り出すと、いい意味で驚きがあった。本体素材に樹脂が使われているが、見た目の安っぽさは一切ない。しかも大きさは、幅115×奥行き103×高さ40mm(実測値)でとてもコンパクトだ。ECサイトに掲載されていた写真よりも小さく感じた。

 付属品は電源アダプターとHDMIケーブル2本、ディスプレーに固定する金具と各種ネジ類のみ。ディスプレーとキーボード、マウスは別途用意しなければならないので注意してほしい。

HDMIケーブルや電源アダプター、説明書などの付属品がある

HDMIケーブルや電源アダプター、説明書などの付属品がある

(写真:筆者撮影)

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 パソコンに備わっている端子は豊富だ。前面には、USB端子が2つとイヤホン/マイク端子がある。背面には、USB端子が2つとHDMI出力端子が2つある。ディスプレーを2台用意すれば、マルチディスプレー環境を簡単に構築できるので便利だ。4Kに対応したディスプレーへの出力も可能だった。背面のUSB端子は、USB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2)に対応していた。ポータブルSSDを接続すると、1GB/秒程度の転送速度が出た。

 ただし付属の説明書は薄く、説明も十分ではないと感じた。ボタンや端子の役割やケーブルの接続方法など、物理的な説明のみにとどまっている。サポートとして英語で記されたWebページが用意されているが、パソコンを使い慣れていないと理解するのは難しいのではないかと感じた。

第12世代のIntel製CPUを搭載

 ここでスペックを紹介しよう。MINI S12が搭載するCPUは米Intel(インテル)製の「Intel N95」である。開発コードネーム「Alder Lake-N」と呼ばれていた第12世代CPUコアを搭載する廉価版だ。最大動作周波数は3.4GHzである。

格安ミニパソコンの多くはIntel N95やIntel N100を搭載する。写真はIntel N95

格安ミニパソコンの多くはIntel N95やIntel N100を搭載する。写真はIntel N95

(写真:筆者撮影)

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 Core i7やCore i5といった高価なCPUには、性能重視のPコアと効率重視のEコアの2種類が搭載され、それらを用途に応じて自動で使い分けている。Intel N95はEコアのみを搭載したCPUだ。現在、Intel製のCPUは既に第14世代が登場している。だが、第12世代または第13世代のCPUを搭載するパソコンも多い。Intel N95でも十分な性能といえるだろう。

 MINI S12シリーズにはIntel N95ではなくIntel N100を搭載する「MINI S12 Pro」もある。2つのCPUの違いはグラフィックスの仕様だ。性能差はほとんどなく、筆者は価格と性能を考慮して、Intel N95で十分だと判断した。Intel N100を搭載したパソコンは同N95を搭載したパソコンよりも数千円ほど価格が高かった。

 筆者が購入したMINI S12は、メモリーを8GB搭載。ストレージはM.2 NVMe SSDで容量は256GBだ。通信モジュールには、Wi-Fi 5とBluetooth 4.2を搭載。加えて、1000BASE-Tの有線LANポートを備える。OSにはWindows 11 Proを搭載する。

 搭載するメモリーやSSDは、それぞれソケットに取り付けられている。本体を分解すれば、簡単に交換できそうだ。本体上部に2.5インチの拡張ベイを備えており、Serial ATA接続の2.5インチのHDDやSSDを1つ追加できる。ミニデスクトップパソコンだが拡張性は高いと感じた。

内部のSSDやメモリーは交換できる。本体上部には2.5インチのSSDなどを設置できる拡張ベイがある

内部のSSDやメモリーは交換できる。本体上部には2.5インチのSSDなどを設置できる拡張ベイがある

(写真:筆者撮影)

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