Friday, July 21, 2023

夏休みに子どもが十分な昼食取れず 困窮家庭の半数近く - 教育新聞

 国際NGOのセーブ・ザ・チルドレンが経済的に困窮している子育て家庭向けに実施する「夏休み子どもの食応援ボックス」の申込者に対するアンケート結果から、回答した半数近くの家庭で、夏休みなどの給食がない期間に子どもが昼食を十分に取れていない現状が、このほど浮かび上がった。応援ボックスを申し込んだ理由として約7割が「十分な量の食料を買うお金がない」を挙げており、昨年同時期のアンケートよりも10ポイント以上増えているなど、物価高騰の影響もうかがえる結果となった。

 「夏休み子どもの食応援ボックス」は18歳未満の子どもがいる住民税所得割非課税世帯相当の家庭を対象に、7月上旬に5000世帯に対して食料品などを送る予定で、アンケートは6月8~19日に申し込みのあった6412世帯がインターネットで回答した。

 応援ボックスを申し込んだ理由を複数回答で尋ねると、最も多かったのは「十分な食料を買うお金がない」で71.2%、次に多かったのは「長期休暇に入り、給食がなくなるため食費が心配」で68.5%だった。「十分な食料を買うお金がない」と答えた割合は、2022年の夏休み子どもの食応援ボックス」の申込者アンケートと比べ、11.0ポイント増加した。また、任意回答ながら、新型コロナウイルスの感染が拡大した20年2月ごろと比べて、現在の世帯収入が「減った」と答えたのは64.1%を占めた。

 同じく任意回答で、過去1年間に経済的な理由で子どもに関する費用が支払えなかったことが「よくあった」「ときどきあった」「まれにあった」と答えた割合の合計をみると、食料では89.2%、衣料では94.7%、文房具・教材代では77.4%、制服・体操着代では69.1%だった。

「子どもの食事で十分な量がとれていると思うか」の回答状況

 子どもが普段十分な量の食事が取れているかという質問で、「あまり取れていない」「取れていない」を合計した割合に着目すると、朝食は37.3%、学校がある期間の昼食は8.7%、長期休暇中など給食がない期間の昼食は46.2%、夕食は18.1%で、長期休暇中に十分な昼食を取れない子どもは、学校がある期間の5倍以上に増えることが分かった(=グラフ)。

 これらの結果を踏まえて、セーブ・ザ・チルドレンは低所得の子育て世帯に対して支給されている「子育て世帯生活支援特別給付金」を遅くとも年内までに再支給することや、出費のかさむ時期に合わせ、計画的な特別給付を創設すること、小学校から高校までの教育の私費負担の軽減を、年内に策定される「こども大綱」に盛り込むことなどを提言している。

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