Monday, July 10, 2023

中国車業界団体過剰な値下げ抑制の合意をわずか日で撤回 ... - 読売新聞オンライン

 【北京=山下福太郎】中国の業界団体「中国自動車工業協会」は8日、BYDや米テスラなど大手16社が今月6日に結んだ合意書のうち、過剰な値下げを事実上抑制するように求める部分を削除すると発表した。独占禁止法に抵触する可能性があるためとしている。

 自動車の販売価格が上昇する公算が大きくなり、消費者の反発が中国のSNS上で広がっていたことも撤回の要因とみられる。上海市で16社の首脳が署名した際には工業情報化省の幹部が立ち会っており、政府が「お墨付き」を与えた協定がわずか2日で撤回される異例の事態となった。

 合意書は主に4項目で構成され、「異常な価格で市場の公正な競争秩序を乱さない」との部分を削除する。▽誇張や虚偽の宣伝を行わない▽社会主義の核心的価値観を継承――といった部分は維持する。協会は8日の声明で、独禁法の厳格な順守や、自主的な価格設定を各社に求めた。

 今回の合意書は、自動車業界で値引き販売が広がり、各社の業績が圧迫され始めたことが背景にあった。中国には100社超のメーカーが乱立し、経営基盤の弱い企業には の動きも出ていた。

 中国では最近、住民らの反発で政府が政策の修正や撤回に追い込まれるケースが目立つ。2月には、河南省のバス会社が経営難を理由に路線の廃止を表明したことに高齢者らが強く反発し、市政府が運行継続を表明した。1月にゼロコロナ政策が終了したのも、北京などで抗議活動が起きたことが背景にある。

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