「スプーンは、おつけしますか?」
コンビニでお弁当やスイーツなどを買う時に、店員さんから声をかけられ「はい」と答えると、無料でプラスチック製のスプーンが受け取れる。よくある日常の光景が、そう遠くない未来に、変わっているかもしれません。
地球環境対策として、プラスチックごみの削減を進める動きの広がりは、コンビニ業界に新たな対応を迫っているようです。経済部の茂木里美記者、教えて。
茂木記者
ことし6月に新しい法律が成立したことが背景にあります。「プラスチック資源循環促進法」です。この法律に基づき政府は、無料で配られるスプーンなど使い捨てのプラスチック製品を大量に提供する事業者に、提供方法を見直すなどの対策を新たに義務づける方針です。
- ● 代わりとなる素材への転換を促す
- ● 有料化で客に負担を求める
- ● 受け取らない客にポイントを還元する
こうしたさまざまな方法で、プラスチックごみの削減を目指します。年間5トン以上提供し、取り組みが不十分な事業者については、社名も公表するとしています。
これらは来年4月の施行に向けて、政令や省令などとして定められることになります。
茂木記者
例えばローソンは、今月17日から、都内の一部の店舗で、プラスチック製のスプーンを、試験的に木製に切り替えました。
プラスチック製と比べ3倍ほどのコストがかかるということですが、利用客の反応やコスト面の課題を検証しながら、本格導入するか検討するとしています。実際に木のスプーンを受け取った40代の男性は「エコでいいと思います」と話し、会社側は「コスト増という難しい問題もあるが、プラごみ削減は企業の重要課題と認識していて、ベストな選択肢を考えたい」としています。
また、ファミリーマートは、プラスチックの使用量を減らしたスプーンを一部の店舗で採用し、今後全国に広げていくほか、セブン-イレブンは、スプーンやフォークを辞退した客に、電子マネーのポイントを付与する実証実験をすでに都内で行っています。
茂木記者
去年7月に義務化されたレジ袋の有料化では、大手コンビニ各社のレジ袋辞退率が、有料化導入前の3倍程度にあたる70%以上にのぼりました。ただ、レジ袋の代わりとなる家庭用のポリ袋の購入量が増えたとする調査結果もあり、ごみの削減効果については不透明な面もあります。
実は、新たな法令では、事業者だけでなく消費者も、プラスチック製品の過剰な使用を抑制することが“役割”と位置づけられます。
事業者側が今後打ち出す対応策が「環境問題は気になるけれど、便利な暮らしは捨てがたい」という消費者の心理と行動を変えるきっかけとなり、プラスチックごみ削減への相乗効果につながるか。法令の施行に向けた試行錯誤が始まっています。
からの記事と詳細 ( コンビニ業界などで迫られる“脱プラ”への動き その背景は? | NHK - NHK NEWS WEB )
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