過去のパターンからの逸脱
そのパターンとは、過剰な宣伝が「FOMO」(機会を逃すことへの恐怖:fear of missing out)による熱狂的な買いにつながり、そこから危険なブローオフトップ(急騰からの急落)、そして不活発な時期が続くという波である。 2017年と(チャート上でズームインする場所が分かっていれば)2013年の強気相場の後、暗号資産は50%規模の値下がりをし、厳しい底値付近をさまよった。 誕生以来、暗号資産市場全体によく似たパターンを見せてきたビットコイン(BTC)は、2018年1月の急落の後、32カ月にわたって1万ドル付近で取引された。冷え切った冬であったのは間違いない。 そのようなパターンに基づき私は2020年、当時の強気相場は、ビットコインが3万ドル超えとなってピークに達し、その後はそれまでに何度かそうであったように、2019年の高値である2万ドル付近まで値下がりするだろうと、自信を持って予測した。 どちらの点においても、私の予測は大きく外れていた。 まず、ビットコインは4月には6万3000ドルに達した。これに関しては、短期的強気筋さえも驚かしたと言っていいのではないか。 しかし真の衝撃は、それ以降の市場の動きであった。強気相場は10月から4月まで、強固に7カ月間続いた。これは4月から2018年1月まで続いた後下落した、2017年の強気相場よりは少し短いものであった。 今年4月の脅威的な最高値の後、ビットコインは5月には10日間で50%近く値下がり。パターンは繰り返されるかに思われた。市場は安定したが、2018年にも、長期的でゆっくりとした下落に向けて、度々安定したことがあった。 7月になると、ビットコイン市場は回復し、8月にかけて60%値上がり。つまり、いくつかの値下がりや停滞を除くと、暗号資産市場は基本的に1年近くプラスで動いていたということだ。こんなことは初めてなのだ。 もちろん、価格は有用性の指標ではないが、このような持久力は、ポールソン氏のような完全に否定的な態度を取ることを、一段と難しくするものだ。 もちろん、今の状況は典型的な「ブルトラップ」または「デッド・キャット・バウンス」という可能性もある。歴史的なデータから推測される劇的な暴落がやって来るのかもしれない。その可能性は、現在の力強い強気相場につながった状況次第だ。 それには、より幅広い資産市場の状況も含まれる。ダウ・ジョーンズ工業株価平均も過去1年半、狂ったような動きを見せていた。少なくともその原因の1つは、投資を行う人たちが自宅に閉じ込められ、退屈して他に支出がなくなっていたからだ。 つまり、ビットコインと暗号資産価格の未来の約半分は、より幅広い経済心理にかかっていると言えるだろう。新型コロナウイルスのデルタ株が最大の懸念だが、ワクチンが利用できない国々における被害がゆくゆくはより深い影響を持つことになるだろう。インフレの懸念については、薄まってはいるが、一部の人にとってはまだ心配の種である。 しかし、暗号資産市場そのものでは何が変化したのか?そしてそのような変化は、現在の暗号資産価格水準を維持するのに十分なのか? 非常に高いレベルにおいては、過去6カ月間は暗号資産を変容させるような大きな出来事が盛り沢山であった。その中でも、エルサルバドルによるビットコインの法定通貨化と、アメリカ議会におけるインフラ法案内の暗号資産課税に関する議論は大きなものであった。それらは、直接的に市場に影響を与えるかにかかわらず、暗号資産に正当性を与えるものだ。
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