Friday, April 16, 2021

ゾンビホラーアクションの名作リメイクに挑戦! 「バイオハザード HDリマスター」 - PC Watch

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 今回紹介するのは、1996年にゲーム機「PlayStation」で発売した「バイオハザード」の1作目をリメイクし、2015年にPC移植した「バイオハザード HDリマスター」。

 同シリーズは今年(2021年)で25周年となるカプコンの人気IPの1つ。2002年に実写映画化され、2021年5月8日には最新作となる「バイオハザード ヴィレッジ」を発売予定、さらにはVR専用端末「Oculus Quest 2」用として「バイオハザード4」のVRバージョンの移植も予定されているなど、今なおシリーズ新作がリリースされる人気タイトルだ。

 筆者の周辺では、未だに「バイオハザード」シリーズの中ではこの1作目が1番怖かった、という意見が多い。ビジュアルが向上して、演出技術やノウハウも蓄積された新作をプレイしてなお、1作目の怖い印象が残り続けるというのは非常に興味深い。1996年のリリースから25年も経過しているので、当時の思い出補正も大いに関係しているとは思うが、なぜ当時のタイトルが今でも心の中に恐怖の印象を残し続けるのか。

 今回はシリーズ未プレイの筆者が実際に1作目のリメイクをプレイしてみることで、その要因を探ってみたい。

画面設定
難易度選択をピクニックに例えるのはユニーク
キャラクター選択は女性主人公のジルか男性主人公のクリスのどちらかが選択可能

 ゲーム開始前にまずはオプションの設定項目をチェック。解像度はデフォルトでは1,280×720ドットだが、最大2,560×1,600ドットの2K解像度まで設定が可能だ。フレームレートは30/60fps固定のほかに可変も設定できる。画面比率はオリジナルの4:3かワイド比率も選択可能になっており、リマスターならではの設定が楽しめる。映像品質については3種類の設定のみとシンプル。

 ひととおりのセッティングを終えて、いざゲームスタート。難易度設定、キャラクター選択ときてムービーシーンが入り、一軒の館に避難したところから操作可能な状態になる。道中のムービーやカットシーンはスキップも可能だ。今回はせっかくだから女性主人公を選ぼうかとジルを選択。リマスターで追加になったという別衣装を選択した。

キャラクターには難易度が優しいと言われているジルを選択。コスチュームもリマスターで追加になった衣装を選択
ただし、冒頭のムービーシーンでは新コスチュームは反映されていない

 実際に操作してみての率直な感想は、とにかく操作のクセがすごい! 視点のカメラ位置が固定な上にかなりトリッキーな場所からのビジュアルとなっているため、どの方向に向かえばいいのかが初見だとかなりわかりにくい。固定の視点カメラはカメラの枠外まで移動することで移動先のカメラ視点に切り替わるのだが、向きが変わった場合に、その向きの中で操作する必要があるため、前に進んでいたはずが後ろに向かうようになったり、カメラ位置ごとに操作方向が変わるイメージだ。

 移動操作もかなりクセがあり、アナログスティック左右で向きを変え、キャラクターの向きに対して上下を押して前後に進むという最近はあまり使われていないスタイルの操作方法でかなり戸惑った。

 本作ではこうした操作のクセを少しでも緩和するため、オリジナルの操作モード以外にアレンジモードも用意されており、進みたい方向にスティックを入れるだけで進めるようになっており、このモードではかなりプレイしやすくなっている。

トリッキーなカメラアングルが多いのも本作の特徴の1つ

 移動に慣れてきたので、ドアを出て散策を開始。すると角を曲がったところで急に周囲が暗くなり、ついにゾンビ初登場……。カットシーンを効果的に使うため、恐怖演出はかなり凝っている印象を受ける。そしてバトル開始。ゾンビの方向を微調整することで照準はある程度定まってくれるため、比較的動きのゆるやかなゾンビを撃ち殺すのも逃げ回るのも比較的スムーズに行なえ、緩慢な動作によるストレスは皆無だった。

 ゾンビ自体はこれ以降、館内の至る所で登場するようになるので、グロテスクな見た目さえ気にならなければ、あまり恐怖は感じない。むしろこちらをドキッとさせるホラー的な恐怖演出は突発的な出現の演出だろう。たとえば、窓ガラスを突然割って飛び込んでくるゾンビ犬には、思わず筆者もビクッとなり身震いしてしまった。

カットシーンの演出では、緩やかな動きで出現するゾンビの挙動とカメラワークでこちらの恐怖心を煽ってくる
突然ガラスを割って飛び込んできたゾンビワンコ! まさかこんなタイミングで飛び込んでくるとは思っていなかったので、大いに驚かされた
まだクリアできていないが、ここまでのプレイでもっとも身震いしたのは個人的には「飼育係の日誌」だ。「かゆ うま」の元ネタで有名なこの日誌だが、最初から読んでいると段々と思考能力が低下していく様子がわかるようになっていて、色々想像すると怖くなってきてしまう

 こうしてリメイクされた初代バイオハザードをプレイしてみて、改めて感じる本作の魅力は、謎解き要素だろう。たとえば、「鎧のカギ」を取得する経緯はかなり難解に感じられた。まず、とある部屋で犬を呼び寄せる「犬笛」を入手。同時に犬笛を使うことで犬の首輪に隠された“何か”を入手できることがわかる。

 そこで屋外に出て犬笛を使用してゾンビ化した犬を呼び出して、出現したゾンビ犬を倒すことで「首輪」を手に入れる。さらにその首輪を調べて、なかに隠されたコインを取り出し、さらに回転させて背面を調べることで、コインが鍵の形状のイミテーションへと変化する。鎧のカギを取得後に、このイミテーションをカギのあった場所に埋め込むことで罠を回避できるようになる。

 正直、最初に鎧のカギを入手した時は、いきなりこちらを殺す罠が発動してしまい、なす術もなくあっさりと殺されてしまった。そこで2度目は手持ちのアイテムと見比べて、コインの形状がカギの頭部分と形状が酷似していたことから、コインをくまなく調べることで、どうにか鎧のカギを入手できた。

 本作ではこうしたアイテムを調べて使用したり、複数のアイテムを組み合わせることで、謎を解いて別のアイテムを入手するなどのギミックが、あちこちに散りばめられている。未プレイの人は元より、昔PlayStation版でプレイした人でも、変更になっている箇所や、忘れている謎がたくさんあると思われるため、今プレイしても十分に楽しめる作りになっている印象だ。

初見では罠のかわし方が分からずにあっさり殺されてしまった
コインとカギの頭の部分の形状が似ているので、コインを調べてみるが何もない。ところが回転させて裏面を調べると、いきなりコインがカギの形状に変化した! そういうことか!
個人的には謎解きも難解だが、所持可能なアイテム数の少なさが一番ネックだった。フィールドを動き回りつつ、調べていると色んなアイテムが入手できるが、武器もイベントアイテムも同じ枠の中で持つ羽目になるので、館内にあるアイテムボックスを活用して、アイテムの取捨選択が必要になってくる

 本作はベースが古い上に、2015年リリースということで必要とされるスペックはかなり低い。2K解像度で表示設定を最高品質の状態でプレイしてみたが、ミドルレンジのGPUでも最大120fpsをキープし続けることができた。ミドルレンジ以上のGPUを搭載したゲーミングPCなら快適に動くことは間違いない。

 これだけ快適ならと、筆者所有のTiger Lake搭載ノートPC「ThinkPad X1 Nano」での動作も確認してみた。画質の設定はゲーミングPCと同様の最高品質にしたが、ディスプレイ解像度がなぜかフルHDまでしか選択できなくなっていた。この状態でプレイしてみると、フレームレートは大体30fps前後となっており、実際のプレイ感覚としてもそれほど違和感なくプレイできた。

 フレームレートについてはちょっと際どいが、本作のようなローカルでプレイする3Dゲームが実用に耐えるフレームレートを保持してプレイできるのは嬉しいポイントだ。

 なお、STEAMでは現在「カプコンパブリッシャーセール」を開催中で、今回紹介した「バイオハザード HDリマスター」を含む「バイオハザード」シリーズのほか、「デビルメイクライ」シリーズ、「ストリートファイターV」シリーズ、「MEGAMAN」シリーズなどの各種タイトルが最大80%オフのセール価格で販売中となっている。

スペック要件

CPU:Core 2 Quad 2.7GHzまたはAMD Phenom II X4 3.0GHz
RAM:4GB
GPU:NVIDIA GeForce GTX 560またはAMD Radeon HD 6950
ストレージ容量:20GB

今回プレイした環境(1)

CPU:Ryzen 5 3400G
RAM:DDR4 16GB
GPU:GeForce GTX 1660(6GB)
ストレージ:TS256GMTE220S

今回プレイした環境(2)

CPU:Core i7-1160G7
RAM:DDR4 16GB
GPU:Intel Iris Xe Graphics
ストレージ:256GB SSD(NVMe/PCIe)
Ryzen5環境でのゲーム開始後のグラフの様子。フレームレートはムービーシーンでは30fps前後、プレイ可能になると120fps前後で安定する。CPUやGPU使用率も安定傾向にあった
TigerLake環境でのゲームプレイ中のグラフの様子。フレームレートはあまり安定せず、30fps前後を行き来するような感じ。ゲームプレイ自体に支障はないが、CPUやGPU使用率は安定せず、ブレ幅はかなり大きい。なお、グラフには含めていないが、1度アプリを切り替えてから再度戻すと、フレームレートが安定しなくなった

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