声優としても活躍中の鈴村健一(月~木曜)と俳優の山崎樹範(金曜)、フリーアナウンサーのハードキャッスル エリザベスがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。4月14日(火)放送の「リポビタンD TREND NET」のコーナーでは、ジャーナリストで株式会社メディアコラボの代表・古田大輔さんに、この日のテーマ「『外出自粛目標』は7割削減で本当に十分なのか?」について伺いました。
安倍晋三首相は「緊急事態宣言」を発令した4月7日(火)の会見で、「(人と人との接触機会を平常時より)7割~8割削減を目指し、外出自粛をお願いいたします」と呼びかけました。
鈴村:これに関しては、専門家の間から「『8割削減』が必要ではないか?」という声が多く上がっていますね。
古田:そうですね。この件でいま特に有名なのが、これまでの全国の感染データを分析してきた厚生労働省のクラスター対策班の北海道大学の西浦博教授でしょう。ご自身でも“8割おじさん”とおっしゃっています。
鈴村:今回の「8割削減」の根拠は?
古田:新型コロナウイルスにより、1人当たりが生み出す二次感染者数は、ヨーロッパで平均2~3人とみられています。これを「再生産数」と言い、「1」を割ると流行が収まっていきます。
2~3人の感染者を生み出すような接触のうち、平均50~67%くらい以上削減されると、「再生産数」が「1」を割る……というのが単純計算です。
しかし、日本での接触制限は「強制」ではなく「要請」ですので、止められないところが出てきます。1つの数式の計算だけではカバーできないことを加味して、二次感染が起こる「再生産数」をさらに詳しく検討しています。
例えば、医療従事者同士で感染が起こる確率なども、きちんと考慮されています。そこからはじき出された数値が「8割削減」(正確に言うと79%)です。
(西浦教授は)「制御できない業界を除く接触が8割未満だと、流行の制御は難しいかもしれない」と考えているようで、「8割減少」は折れてはいけない数字のようです。
鈴村:安倍総理の会見で「7~8割」になってしまったのは、どうしてですか?
古田:この件は、西浦教授もおっしゃっていたのですが、「経済を止めたくない政治家との間で駆け引きのようなものがあった」ようで、値切り交渉のように「6割は?」「間を取って7割は?」みたいなやり取りが交わされた模様です。
鈴村:感染拡大の収束まで「7割減で2ヵ月くらい」「8割減で1ヵ月くらい」というデータを見ました。すごく素人的な考え方になりますが、僕は、経済的なことだけで見れば、「1ヵ月で収まったほうがいいのでは?」と感じてしまうのですが……。
古田さん:これは本当に難しい判断になると思います。どちらの判断がよかったのかは、結局終わってみないと分からないですからね。ただ、今イギリスで言われているのは、(3月23日(月)から「外出禁止令」を出した)イギリスのように、「ロックダウン(都市封鎖)」というかなり厳しい外出制限をかけても、実際に行動制限ができるのは「8割」だと言われています。そうなると、日本の“要請”ベースのやり方で(人との接触機会を)「8割削減」するというのは、かなり難しい数値のような気がしますね。
鈴村:人との接触機会を「7割」減らすことができれば、コロナウイルスの感染拡大収束まで2ヵ月位。「8割」で1ヵ月ぐらいで収束するのでは……というデータが出ています。
どのようにして「8割減」にするかを真剣に考えるためには、国の補償や各企業の努力が必要なのではと思います。今、僕も出勤していますが、もしかするとテレワークを考える時期なのかなと思います。
(TOKYO FM「ONE MORNING」4月14日(火)放送より)
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April 15, 2020 at 06:22PM
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