大分県庁3階の一室に、分厚いファイルを抱えた県職員10人が入ってきた。
14日午後8時。新たに確認した新型コロナウイルス感染者についての会見が始まった。「行動歴は」「濃厚接触者はいますか」。新聞、テレビ、通信社の記者15人が矢継ぎ早に藤内修二・県健康づくり支援課長(62)に聞いていく。
概要を聞きながら、何人かは急いでパソコンのキーボードをたたいた。
県内で新たな感染者が確認されるたび、県は記者会見を設けて状況を公表している。同日までに計33回、緊急的に開いた。
1例目を確認したのは3月3日だった。広瀬勝貞知事が午後1時半に一報を明かし、同2時半から臨時会見に臨んだ。
ウイルスの有無を調べるPCR検査(遺伝子検査)は県衛生環境研究センター(大分市高江西)と同市保健所(荷揚町)の2カ所で実施している。
検体の受け入れは1日最大132件。当日の全判定結果が分かるのは午後7時ごろになることが多い。その後の遅い時間帯に会見を開くのは「県民に正しい情報を早く伝えるため」(県広報広聴課)だ。
災害リスク心理学が専門の広瀬弘忠・東京女子大名誉教授(77)は必要性を強調する。「情報発信は安全で安心な生活に欠かせない。感染確認者数の変化を知ることは住民の行動や予防対策につながる」
感染者は原則匿名発表なのに対し、施設や店舗など不特定多数の出入りがある場所は名称を公表するケースもある。「感染が広がる可能性があるか」「そこに立ち寄った人たちに知らせる必要があるか」―。判断が問われる。
匿名は事実と異なる臆測を招くケースもある。一方、実名報道で過剰な非難にさらされる恐れもある。
10日の会見で藤内課長は「補足説明をさせていただきたい」と切り出し、1週間前に公表した感染者について改めて説明した。
「2回の検査でいずれも陰性になった濃厚接触者(男性)が他の人に感染させる可能性はない」。世間に広がる偏見を打ち消すための情報を付け加えた。
14日の会見は約30分で終わった。間もなく、県のコロナウイルス相談窓口の電話が鳴り始めた。
「感染者は増えるのか」「私も感染しているかもしれない」。受話器の向こうに動揺が広がっている。
会見を仕切る渡辺修武(おさむ)・広報広聴課長(53)は考えている。「数字が独り歩きして過度な不安を招かないよう、症状や行動歴などを詳しく知らせたい」
深夜に及ぶ業務に、まだ終わりは見えない。
※この記事は、4月15日 大分合同新聞 1ページに掲載されています。
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