【ドバイ=岐部秀光】新型コロナウイルスの感染拡大にともなう経済活動の急ブレーキで石油の消費が減り、供給の過剰が深刻になっている。サウジアラビアとロシアなどが始めた「価格戦争」が続くと、5月にも世界各地の貯蔵施設の能力は限界をむかえる。主要産油国は日量1000万バレル超という過去にない規模での協調減産を模索するが、それでも蒸発した日量2000万バレル超の需要減には届かない。
英調査会社FGEによると、世界の石油需要は4月に日量2400万バレル減ったもよう。これは総需要のおそよ4分の1に相当する。米国だけで今月3日までの1週間、1520万バレルの在庫が積み上がった。
感染防止のための都市封鎖や隔離で、世界の航空会社が運航の停止や大幅減便に踏み切り、外出禁止や在宅勤務への移行などでハイウエーからは車が消えた。多くの工場が生産停止や縮小に追い込まれた。
こうしたさなか、世界最大級の産油国サウジは米シェールやロシアなど生産コストが高いライバルを標的に、増産でシェア拡大をめざす「価格戦争」を戦っている。
このままでは引き取り手のない原油が洋上のタンカーやパイプライン、精製施設にとどまり、やがて限界をむかえることになる。過剰な在庫を抱えた生産者やトレーダーは、手数料を支払って石油を引き取ってもらう必要が出てくる。
原油安で真っ先に打撃を受けるのは、フラッキング(水圧破砕法)の技術革新によって、従来掘削できなかったシェールオイルを生産することができるようになった米国の企業だ。
国際エネルギー機関(IEA)の試算では国際指標の北海ブレント先物で1バレル30ドル程度の原油安では世界でおよそ日量400万バレルが損益分岐点を下回り採算割れとなる。うち日量230万バレルを北米が占める。
トランプ米大統領は、かねて石油輸出国機構(OPEC)による人為的な価格引き上げの動きを批判してきた。ガソリン価格の低下は米消費者には恩恵となる。
しかし、トランプ氏は今回、サウジとロシアに協調減産の枠組みに戻るよう求めている。米シェール企業の経営悪化が、債券市場でより広い信用不安への波及するおそれがあるからだ。
石油の販売収入に経済の多くを依存しているサウジやロシアにとっても原油安の痛手は大きい。年初のイラン危機をめぐる原油高から一転して価格が急落した値動きをみた消費国や投資家は、脱石油の動きを一段と強めるかもしれない。
OPECとロシアなど非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は3月の会合で減産強化の話し合いが決裂した。しかし、会合の参加者は当時、新型コロナの影響がここまで広がるとは予想していなかった。
サウジの呼びかけにより、OPECプラスは9日、緊急のテレビ会議を開催。10日には主要20カ国・地域(G20)エネルギー相による緊急のテレビ会議も開かれる。消費国も含め、原油市場安定に向けた異例の対応が続く。
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April 09, 2020 at 02:00PM
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石油、供給過剰が深刻 日量2400万バレルの需要減 - 日本経済新聞
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