Saturday, July 9, 2022

選挙の世論調査の正確さ 「特別」が持つ意味 | 基礎からわかる参院選 - 毎日新聞

 通常実施している世論調査と、選挙中に実施する「特別世論調査」(毎日新聞での呼び方)は目的が異なるため、調査方法にも違いがあります。

 官房長官の記者会見などでは「一喜一憂しない」と答えるのが定番のようになっていますが、実際には政治家は世論調査を気にしています。けれども通常の世論調査と、特別世論調査がどのように異なるかを正しく理解している人は政治家も含めて意外に少ないのです。

通常の世論調査はサンプル約1000

 世論調査は年間を通じて実施しているものです。サンプル数は全国で約1000です。参院選の公示日(6月22日)直前の6月18日に社会調査研究センターと毎日新聞が実施した調査では、目標サンプル数を携帯700件・固定300件に設定し、携帯700件・固定295件の有効回答を得ました。

 この時の調査でも「参院選の比例代表でどの政党に投票したいと思いますか」という設問がありました。

特別世論調査は有効回答6万以上

 一方、6月25~26日に実施した参院選特別世論調査は目標サンプル数を5万7800人に設定し、6万7472人から有効回答を得ました。7月2~3日に実施した調査は目標サンプル数は同じ5万7800人で、有効回答は6万4893人でした。

 通常の世論調査も特別世論調査も同じ「世論調査」ですが、サンプル数に大きな開きがあります。通常の世論調査のサンプル数である約1000は統計的に十分な精度がある数字です。ではなぜ、これほどサンプル数が異なるのでしょうか。

 理由はもちろん、特別世論調査では「参院選の選挙区で誰に投票しますか、または投票しましたか」と聞くために、選挙区ごとに必要なサンプル数を確保しなければならないからです。改選数1の1人区では各1000人、改選数がもっとも多い東京選挙区(改選数6)では3600人を目標サンプル数としています。選挙区ごとの目標サンプル数を合計したものが、全体の目標サンプル数(5万7800人)なのです。

 このため、「特別」とつけて区別をしています。社によっては選挙時に行う調査は「情勢調査」と呼んで、通常の世論調査と区別をしやすくしているところもあります。

出口調査は全く異なる

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