KDDIは2022年7月4日午後8時、携帯電話回線の通信障害について2度目の記者会見を開いた。吉村和幸執行役員専務技術統括本部長は、音声通信を中心に通信障害が長期化した理由として、全国に18台あるVoLTE交換機のうち6台が加入者データベース(DB)に対して本来必要でない過剰な信号を送出していたことを明らかにした。
7月2日午前1時35分に発生した一連の通信障害を巡っては、コアルーターの新旧入れ替えにより音声トラフィックが15分間不通となったことを皮切りに、VoLTE交換機や加入者データベースの輻輳(ふくそう)、加入者DBとVoLTE交換機の間のデータ不一致といった事象が相次いで発生した。同社はこれらの解消策として7月3日午後5時30分にかけて、無線設備に対して50%の流量制御をかけしつつ、パケット交換機の切り離しとセッションリセットなどを順次実施した。これによって復旧作業が完了し、輻輳が回復に向かうとみていた。
しかし実際には、その後もVoLTE交換機や加入者DBの負荷が十分下がらなかった。その後、「データ解析によってVoLTE交換機から統合DB側へのバランスが悪いことが分かり、原因を調査したところ18台のうち6台のVoLTE交換機が加入者DBへ不要な過剰信号を送出していることが7月4日午前に判明した」(吉村専務)。
この対処として、過剰信号を送出しているVoLTE交換機6台をモバイルコア網から切り離し、残りの12台で運用する体制とした。すると、VoLTE交換機と加入者DBの負荷が通信障害発生前の水準まで下がった。ユーザーの端末の発着信成功率も向上したことから、同日午後2時51分に50%の流量制御を解除した。
2度目の会見を開いた7月4日午後8時時点では「ネットワークの状況、トラフィックの状況は安定しており、ほぼ復旧していると思う」(同)とした。そのうえで「ネットワークやトラフィックを監視し、個人・法人ユーザーのサービス利用状況を確認したい。通信回線を業務システムに組み込んでいる法人ユーザーなども含めて状況を確認したうえで、7月5日の夕刻をめどに全面復旧としたい」(同)との見通しを示した。現在もスマートフォンが正常に利用できないユーザーに対しては、電源のオン/オフを試すよう呼びかけている。
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