バレンタインデーの午後6時。「YOASOBI」の文字をかたどった巨大な電飾看板の前で、ボーカルのikuraが2ndシングル「あの夢をなぞって」のアカペラパートを情感たっぷりに歌い上げて幕開け。コンポーザー・Ayaseに加え、バンドメンバー4人が疾走感あふれるサウンドを奏でる。
ikuraが「画面の向こうの皆さん、ぜひ一緒に盛り上がっていきましょう!」と呼びかけると、3rdシングル「ハルジオン」へ。続くMCでikuraは、新宿歌舞伎町のど真ん中、ミラノ座跡地の工事現場でライブをしていることを説明。将来劇場となる予定のこの場所で、一足先にライブをするというYOASOBIならではの遊び心が、会場選びやライブタイトル『KEEP OUT THEATER』にも込められている。
配信視聴者のコメントも拾いながらファンとのコミュニケーションを楽しんだあとには、「二人の別れの朝を描いた曲です」と少し落ち着いたトーンで紹介し、4thシングル「たぶん」を披露。続く「ハルカ」でもikuraの優しく包み込むような歌声で酔わせる。
メンバーそれぞれが持ち寄ったマグカップで仲良く乾杯したあとには、不穏なカウントダウンが鳴り響く。自身初となるテレビアニメ主題歌として書き下ろされた「怪物」で場の空気は一変。過剰なほどに炊かれたスモークとアグレッシブな演奏、これまでとは異なる表情を見せるikuraのボーカルワークでYOASOBIの新たな一面をのぞかせた。
続けて、先月発売された初のCD『THE BOOK』の幕開けを告げるインスト曲「Epilogue」のフレーズが流れる。「明日も明後日も、音楽が鳴り続けますように。」ikuraの祈りのような言葉から、「アンコール」の歌い出し「明日世界は終わるんだって」につなげる演出で、物語性を強く印象付けた。
Ayaseとikuraが2019年にデビューして以来、怒涛の勢いで駆け抜けてきた活動を改めて振り返ると、ライブはクライマックスへ。2020年を代表する1曲となった「夜に駆ける」を、さらに強固になったバンドのアンサンブルで魅了すると、ラストは「群青」。ikuraはメンバーに、視聴者に語りかけるように歌い、合唱パートで大団円を迎えた。
■YOASOBI『KEEP OUT THEATER』セットリスト
1. あの夢をなぞって
2. ハルジオン
3. たぶん
4. ハルカ
5. 怪物
6. アンコール
7. 夜に駆ける
8. 群青
【ファンクラブ『CLUB 夜遊』限定】
9. 夜に駆ける (THE HOME TAKE Ver.)
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