Thursday, August 6, 2020

米軍は十分な情報開示せず…感染拡大のおそれを押しつけられる沖縄 - livedoor

沖縄のコロナ感染拡大が止まらない

沖縄の新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。キャバクラやラウンジなどでクラスター(集団感染)の発生が確認され、石垣島や宮古島といった離島にまで感染が広がっている。

7月29日から8月4日まで1週間の感染者は406人で、人口10万人あたりに換算すると27.87人となり、全国第1位に。2位の東京の17.24人、3位の福岡の16.12人と比べてずば抜けて多いことがわかる。しかも沖縄は5日連続で第1位だ。

沖縄県の現在の発症者数

PCR検査の陽性率は、4日までに7.2、7.4、7.7と上昇を続けている。世界保健機関(WHO)は感染拡大をコントロールできている基準のひとつとして「陽性率5%未満が2週間続いている」ことを挙げている。7%を上回る沖縄は東京都などとともに感染拡大を制御できていないことになる。

言うまでもなく沖縄県は四方を海に囲まれている。新型コロナウイルスは島の外から持ち込まれたとしか考えられない。沖縄県当局者は5日夕方の記者ブリーフィングで、「(県外から戻った)県民や県外からの観光客から県民に移り、家族や職場で広がったというのが4月半ばくらいまであったが、徐々に広がって現在、感染の中心は県内にあると思う」と説明した。

だが、沖縄では4月から一度、感染が広がったものの、5月1日以降、7月7日までの68日間、感染者はひとりも確認されていない。一番の観光シーズンである夏を迎え、県外から新たな感染者の流入があったのではないだろうか。

36人の感染が確認され、県で最大のクラスターとなった那覇市の歓楽街、松山地区にあるキャバクラについて、沖縄県地域保健課の担当者は「客として県外から来た人、そして県外からホステスとして働きに来た人から広がった可能性が高い」という。

事態を重く見た那覇市は、松山地区で働く人を対象に8月1日と2日に無料のPCR検査を実施した。想定は400人だったが、実際には2080人もの人が殺到。会場となったクルーズ船の港には長蛇の列ができた。

「松山地区の従業員」に限定したにもかかわらず、子どもと一緒の家族連れの姿もあり、感染の不安におびえる沖縄の人々の気持ちが現れた形となった。

深刻な県外からの流入

離島への感染拡大も県外からの流入だ。

宮古島市でクラスターが発生したキャバクラの場合、店の従業員や客の20〜50代の男女15人の感染が判明している。このうち、男性1人、女性4人の計5人が大阪府や埼玉県、兵庫県などの県外在住者だった。

石垣市でクラスター発生となった歓楽街にあるキャバクラでは、福井県に戻った後に陽性が判明した男性客6人に応対し、濃厚接触者となった女性従業員6人が感染した。同店関連の感染者数は10人に増えている。

感染は石垣島を経由して、竹富町の自然豊かな西表島にも広がった。感染が確認されたのは男性1人で、感染が判明したキャバクラ女性従業員の濃厚接触者だった。

接待を伴う飲食店ばかりではない。

沖縄県那覇市の沖縄赤十字病院は2日、院内で看護師と患者の合計7人が新型コロナウイルスに感染したとホームページで発表した。感染者は5日までに13人に増えた。同病院は外来診療を中止しており、中核病院でクラスターが発生したことにより、地域医療に影響が出ている。

コロナ感染を疑われて悲劇が起きた

こうした中、浦添市で4日、発熱を訴える119番通報を受けた消防署員が新型コロナの感染を疑い、搬送が遅れて40代の女性が死亡するという悲劇まで起きた。女性は抗原検査で陰性だったのだから、なおさら浮かばれない。

沖縄の感染拡大で注目されるのは、感染経路がわからない例が増えていることだ。5日までの感染者は合計714人で、このうち濃厚接触者からの感染が疑われるのは282人で39%。一方、調査中は323人で45%に達し、一番多い。調査中とは「現状では感染経路が不明という意味」(県地域保健課)だ。

5日、新たに判明した感染者は77人だったが、うち感染経路不明が67人にのぼり、実に63.8%を占めた。沖縄県当局者は「たくさんの人が集まり声を出す食事の機会や飲み会を含めて、そのような場面での接触が感染経路という事例が増えてきているので、市中で広がっていったと考えられる」と推測している。

だが、感染経路が不明のままだと、発生源を探り当てて隔離するなどの抜本的な対策が取れないことになる。目の前の感染者に対応するだけでは、いつになっても感染拡大は終息しない。

感染が判明し、入院待機中の人に対しては、状況を確認するため沖縄県は25人体制で毎日、電話を掛けているものの、見慣れない電話番号が表示されるせいか、電話に出ない人もいて、対応に苦慮しているという。

「米兵ルート」という大問題

沖縄県がなかなか口にしないのが感染源として疑われる「米兵ルート」の問題だ。

沖縄には約2万3000人の兵士とその家族が約2万人いて、米軍関係者は合計4万3000人ということになる。兵士は3分の1が基地の外で居住し、住民の生活圏に入り込んでいる。

米軍基地で感染が急速に広がった7月7日以降の感染者は、7つの基地で合計285人にもなり、全国一となった沖縄県民の感染率より高い。その米兵らの感染状況が何とも不透明なのだ。

東京にある在日米軍司令部は、日本政府からの要請を受けて、全国の米軍基地の感染者数の一覧表を公式ホームページで公表するようになった。基地ごとに人数が記載されているが、更新は週に1回だけと間が空いているうえ、回復した人は一覧表から削除しているため、感染者の総数を知ることはできない。

例えば、7月16日の感染者は10カ所の基地で140人とあり、1週間後の7月24日は11カ所で189人に増えたものの、さらに1週間後の7月31日は同じく11カ所で127人に減っている。しかも掲載されているのは○○日現在の感染数のみで属性や感染経路は公表していない。

在日米軍の感染者数。7月24日の189人が31日は127人に減っている(在日米軍司令部のホームページより)

防衛省の記者会見で「改善を申し入れる考えはないか」と問われた河野太郎防衛相は「在日米軍とそれぞれ担当する保健所の間で、情報のやり取りが既に行われておりますので、それ以上必要ないと思っております」と答えた。

だが、沖縄県地域保健課によると、米軍から連絡があるのは感染が判明した米兵らが立ち寄った飲食店の名前だけだという。担当者はこういう。

「店に立ち寄った人物の名前はもちろん、性別、年代さえ言わない。複数で店を訪れたのであれば、濃厚接触者にもなるその同行者の行動履歴も追わなければならないが、その情報もない。該当する保健所には店名だけ伝えているが、これでは対策の取りようがない」

「善き隣人でありたい」と口癖のように言う在沖米軍の実態がこれなのだ。

感染拡大のおそれを押しつけられる沖縄

外務省と在日米軍司令部は7月29日、新型コロナ対策をめぐり、異例の共同声明を発表し、「情報共有が可能な限り迅速に行われることを確保するために、引き続き一体となって取り組んでいく」としたが、最初から協力体制など存在していないのに、なにが「引き続き一体となって」だ。

沖縄県の玉城デニー知事は7月31日、県独自の緊急事態宣言を発令し、8月1日から同15日まで「沖縄本島全域で不要不急の外出自粛を求めるとともに、県外からの渡航については慎重な判断を求める」とした。

もちろん沖縄は政府が推進する「GoToトラベル」の対象地域に含まれる。だが、「GoTo」開始前の1週間で1日平均1人だった沖縄の感染者は8月4日までの1週間で58人に急拡大した。

当の沖縄県が「来てほしくない」と宣言しているにもかかわらず、「行きましょう」と背中を押す政府。感染拡大のおそれを押しつけられた沖縄にとっては、いい迷惑でしかない。アベノマスクといい、「GoTo」といい、無策なうえに、つくづく嫌がらせが好きな政府だ、とため息が出てくる。

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