Sunday, October 15, 2023

米ディズニー創業から100年、遊園地やアニメは大人も楽しめる ... - 読売新聞オンライン

 【ニューヨーク=小林泰裕】米娯楽大手ウォルト・ディズニーが16日、創業から100年を迎える。子ども向けだと思われていた遊園地やアニメを大人も楽しめる娯楽に変え、世界最大級のエンターテインメント企業に成長した。日本に与えた影響も大きい。

 ディズニーは、ウォルト・ディズニー氏と兄のロイ・ディズニー氏が1923年10月16日に共同設立した会社に起源を持つ。37年に世界初の長編カラーアニメとされる「白雪姫」を公開し、55年には米カリフォルニア州に「ディズニーランド・パーク」を開業してテーマパーク事業にも参入した。

 ウォルト氏が66年に亡くなった後も企業買収を通じて事業を拡大した。直近、2022年9月期の売上高は827億ドル(約12・4兆円)と、過去最高を記録している。時価総額でも1500億ドルを超え、世界有数の巨大企業だといえる。

 ディズニーは現在、世界6都市に12のテーマパークを展開している。米テーマエンターテインメント協会によると、22年の総入場者数は約1億1900万人だった。米フロリダ州のマジックキングダムが世界のテーマパークでトップとなったほか、上位10か所の七つを占めた。

 日本では、1983年に東京ディズニーランドが開業した。映画の世界や海外の街並みを再現したテーマパークの概念を持ち込み、ハウステンボスやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどに受け継がれた。

 大阪国際大の杉崎聡紀・客員講師は、「徹底した世界観の作り込みで、子どもと一緒に大人も夢中になれる夢の国を実現した」と語る。ミッキーマウスを始め、映画や絵本で登場したキャラクターに会えるのも人気につながった。

 手塚治虫さんは生前、ディズニー映画にほれ込み、白雪姫を50回ほど見たという。大量のセル画を音楽に合わせて滑らかに動かす手法はその後のアニメ映画のモデルになった。「ディズニーを超える作品を」という考えは、長く日本アニメ界の悲願となり、発展の原動力になった。

 ところが、経営は順風だとは言えない。2019年に始めた動画配信サービスが不振で、23年4~6月期は、最終利益がコロナ禍以来、3年ぶりに4億ドルを超える赤字となった。株価も今月、14年以来、9年ぶりの安値水準をつけた。2月には、従業員の3%にあたる約7000人の人員削減も発表した。

 22年11月には、名経営者として知られるボブ・アイガー氏(72)が最高経営責任者(CEO)に復帰した。アイガー氏がCEOだった05~20年、ディズニーは、映画「スター・ウォーズ」の制作会社などを相次いで買収し、売上高は倍増した。

 急激な事業拡大は、投資額を大きくし、業績を低迷させる一因にもなった。株主から、アイガー氏に代わる後継者育成の失敗や、過去の過剰な投資について、批判する声も高まっている。

 ウォルト氏は、「世界に想像力がある限り、ディズニーランドは成長し続ける」という言葉を残した。ディズニーは新たなキャラクターを生み出して発展のエンジンとしてきた。今後も成長軌道を描き続けられるのか、正念場を迎えている。

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