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「混乱」から恩恵を受けるシンガポール
リー・クアンユー初代首相のもと、シンガポールは経済的な繁栄の礎を築いた。
外資と専門的な知識・技術を持つ移民を受け入れ、先端技術をいち早く取り入れることが、国の成長には不可欠だとリーは早くから気づいていた。
世界各国がまだグローバルな多国籍企業に懐疑的だった頃から、リーは強靭なリーダーシップを発揮して低い税率や補助金などの優遇措置で外資を自国に呼び込み、資本主義を花開かせた。その一方、住宅や教育、医療分野の社会保障を充実させて国民の保護にも努めた。
産業化とグローバル化の恩恵を受け、シンガポールは商業のハブとして成長した。1965年にはわずか516ドル(約7万7000円)だった1人あたりの名目国内総生産(GDP)は、2022年には8万2000ドル(1226万円)に達した。これは、英米仏などの先進諸国を上回る。
スイスのビジネススクール国際経営開発研究所(IMD)のデビッド・バッハ教授は、「経済規模が小さく、開かれた国ほど、大国間の関係が悪化すると恩恵を受けるのです」と話す。
シンガポールの経済成長は、初代首相リーの後継者の時代も続いた。米中対立やロシアのウクライナへの軍事侵攻といった世界的な危機でさえ、同国の躍進を妨げることはなかった。むしろ安定したシンガポールは、対外的な混乱から恩恵を受けているように見える。
スイスのビジネススクール国際経営開発研究所(IMD)のデビッド・バッハ教授は、「経済規模が小さく、開かれた国ほど、大国間の関係が悪化すると恩恵を受けるのです」と話す。
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