西武・中村剛也内野手(37)が、19日のDeNAとのオープン戦(メットライフ)で一軍・A班に昇格。三振、三振、遊ゴロ併殺と3打数無安打に倒れた。調整具合が気になるが、残りのオープン戦2試合で、なんとかシーズンを戦うコンディションに持っていくことが求められる。
ただ、教育リーグ5試合で打率5割3分8厘と結果を残してきたこともあり、辻監督は「(オープン戦が)あと2試合しかないんで、まあ考えますよ。ただ練習を見ていても感じはいい。いい投手(浜口)は打てないということ」と変わらぬ信頼を寄せた。
西武首脳陣にとっては現実的に中村が「間に合った」こと自体が開幕前の収穫だったようだ。あとは、オリックスの開幕投手・山本由との相性や、オープン戦ここまで打率3割4厘、2本塁打と結果を残すドラフト6位新人のブランドンや、攻守で安定感のある3年目・佐藤龍との兼ね合いでスタメン三塁を絞っていくだけだ。
しかし、間に合ったとはいえ、8月に38歳となる主砲に不安がないわけではない。キャンプ2日目に発症した左ふくらはぎ違和感により2月は完全別メニュー調整。毎日、ひとり室内にこもり黙々とマシン打撃に打ち込んだ一方で、シーズンを戦い抜くために必要なスタミナの〝貯金〟となる、ダッシュやランニングメニューはほぼ行えなかった。
体重100キロ超の中村が20年間、第一線でプレーできた要因のひとつは、その肉体を支える強靭な下半身。打者にとっての走り込み効果はスタミナ面だけでなく、打撃面の安定にもつながる。中村が自主トレ、キャンプで不安なく走り込めた年はほぼ例外なくタイトルを獲得し、そうでない年はケガに泣かされてきた。
それに付随して「指名打者に専念することなくサードを守ってきたことも大きい。日々のノック、攻守交代時を含め守備につけばこまめに走らざるを得ない」とチーム関係者がいうように、キャンプからの守備練習で作り上げる〝下半身貯金〟が通算424本塁打(歴代16位)の大打者を支えてきたことは間違いない。
下半身の不安を再発させることなくシーズンを乗り切れば、結果は自然についてくる、ということになるが…。プロ20年目のシーズンを迎える背番号60のプレーに注目だ。
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