Thursday, March 12, 2020

市政報告 十分な市民合意を得るには危機管理の組織強化必須 川崎市議会議員 上原まさひろ | 多摩区 | タウンニュース - タウンニュース

 3月9日、予算特別委員会でのトップバッターでの質問を行いました。行政の皆様に昨今の新型感染症対策に少しでも時間を割いていただくために、自民党会派所属議員を中心に議会運営に協力し、時間短縮した形での質問です。令和元年東日本台風・新型コロナウイルス感染症などを受け、このタイミングで議場で明らかにせねばならない危機管理を中心とした議論を行いました。

緊急時対応にあたる危機管理室は手一杯

 川崎市の緊急時対応は災害対策法をベースとして、地震を中心に、新型感染症なども危機の一つとしてとらえて対策をする専門の部署である危機管理室が担当です。危機管理室は、危機管理監以下わずか32名で運営されています。

 定常業務では役割ごとに細分化され、例えば各避難所などとの連絡調整には、第3庁舎に3名、各区に若干名の体制で、各避難所との調整を行います。市内に176もある避難所ですが、その中でも訓練状況の実態把握、緊急時の動きの確認など、細かい調整や連絡には手が回らないのが実情です。そこで他の部署も緊急対応が可能になるように、班体制を組み平時訓練に臨むのですが、川崎市全体が筋肉質な組織で無駄がなく、なかなか他の部署を巻き込むのも苦戦するようです。

 先週号の報告で指摘した、市民との十分な対話の重要性への対応も、今の体制では人数的に難しいと見ます。

 緊急対応を行う大事なミッションを追っている中、人手不足は明確であるのに対して、現況の危機管理室はあくまで総務企画局の一部ということで人事権がありません。

中身の薄い対策本部要綱に早急な対策を

 危機管理室のウェブページにはさまざまな「〇〇対策本部運営要綱」があります。そのほとんどは市長を本部長として本部を立ち上げ、運営する、ということまでにしか触れられておらず、他のマニュアルも、市としてどのように動く、市民にはどう協力してもらうというような「現実的」な内容にまで踏み込むことができていません。

 計画を策定する部署は2名、その他の調整を行う2名のチームも、まだ課として成立したばかり。有事の際は駆り出されるため、無理はありません。私としては、研究機関や専門会など外部リソースの活用含めて検討すべきと提言し、今後も動きを見守りたいと考えています。

危機管理の視点を軸に必要投資を

 川崎市に、本市の危機管理にかかるコストを集計する仕組みはありません。主な内容は人件費と事業費ですが、ここから推定すると、人件費33名で3億円、事業費は13億円とすると20億円程度で、川崎市一般会計予算の0・4%程度です。事業費の内容も防災無線で7億円と、市民が想定するような予算額とも内容とも程遠いかと思います。他市ではこの事業費の中で体育館への冷房設置をするなど、他の市民需要にも同時に応える事例もあります。川崎市にも、社会情勢に合わせて機動的に、必要なところにはお金をかけるよう、求めてまいります。

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