
新型コロナウイルスの感染が収まらず政府は東京都に対し、四度目の緊急事態宣言を出した。菅義偉首相は感染力が強いインド由来のデルタ株の拡大を警戒したと説明している。県内のこれまでのスクリーニング検査でデルタ株は確認されていないが、いつ感染者が出てもおかしくない。国、県はもとより県民一人一人が警戒を強め、感染拡大を防がなくてはならない。 デルタ株は爆発的に感染が拡大したインドで見つかった新型コロナウイルスの変異株で、世界保健機関(WHO)から「懸念される変異株」に指定されている。感染が一時、収束に向かいながら、再び急拡大した英国では、国内各地で確認されている感染例の90%以上をデルタ株が占めているという。タイやインドネシアなどの東南アジアでの広がりも深刻化している。 厚生労働省の調査では、七月五日時点で東京、千葉、神奈川など計二十都府県でゲノム解析によるデルタ株の感染が三百四件、報告された。前回公表された六月二十八日時点より都道府県数で五府県、感染件数で八十件増えている。厚労省は懸念される変異株として南アフリカ由来のベータ株、ブラジル由来のガンマ株の動向も調べているが、いずれも横ばいで、デルタ株の増加傾向が際立っている。
現在、県内では英国由来変異株であるアルファ株が大半を占める。スクリーニング検査における割合は三月まで0~7%だったが四月には25%、五月は66%、六月では79%に達した。一方、デルタ株は未検出となっている。アルファ株も感染しやすい可能性が指摘されているが、デルタ株の感染力はアルファ株の一・三~一・四倍とされている。今はまだ、デルタ株の「侵入」は確認されていないが、全国的な広がりを考えると安心はできない。感染拡大地域への往来は慎重に考える必要がある。感染力が強いデルタ株だがコロナウイルスの一種に変わりはなく、予防には三密の回避、マスクの適切な着用、手洗いの徹底といった従来の対策を地道に続けるしかない。 ワクチンの効果はどうだろか。英国の保健当局はファイザー製のワクチンについて、接種一回のみの発症予防効果は33%だったのに対し、二回だと88%だったと分析している。ワクチンの迅速な接種が求められるが、県によると今後、八月一日までに供給されるファイザー製ワクチンは、市町村が希望している量の約四割にとどまっているという。国は責任を持って、十分な確保と計画的な配分に努めてほしい。(平田 団)
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