新型コロナウイルス感染拡大を受けて屋外レジャーが注目される中、夏休みにかけて家族や仲間と川遊びを楽しむ人が増えることが予想される。栃木県内では例年、7、8月に河川での水難事故が増える傾向がある。天候の確認やライフジャケット着用など、十分な備えと注意が必要だ。
県警地域課によると、2020年に発生した水難事故は13件(死者14人)。そのうち7、8月で7件(死者8人)発生した。矢板市の「おしらじの滝」や大田原市の那珂川で若者の水遊びによる事故が続いた。同課の担当者は、流れが急な場所や深み、安全が確認されていない場所に近寄らないほか、飲酒して水に入らないよう呼び掛けている。
県では毎年この時期に小中学校で出前講座を行い、河川での水難事故防止を呼び掛けている。県河川課の細井俊一(ほそいしゅんいち)課長補佐は「かつては遊びを通じて流れが急な場所や川底が深い場所を学んだが、近頃は川遊びの経験がない人も多いのではないか。常に『ここは危ないかもしれない』と細心の注意を払って遊んでほしい」と話す。
■事前準備も大切
川遊びを楽しむためには、事前準備も大切だ。天気や川の情報をこまめにチェックし、あらかじめ子どもと「必ず大人と川に入る」「天候が悪くなってきたら途中でも遊びを切り上げて帰る」といったルールを決めておく。
動きやすい服装を心掛け、けがをしないよう手袋を着用する。足を滑らせ流される危険性もあるので対策が必要だ。ビーチサンダルは水中で脱げやすいので、歩きやすい水遊び用の靴を履く。ライフジャケットは人数分そろえよう。外れてしまうこともあるため、体格・体重に合ったものを選ぶことがポイント。
現地の立て看板には上流にダムがあること、急な放水で水位が上がる可能性もあることなど重要な情報が書かれているので、必ず目を通しておく。遊んでいる場所が晴れていても山間部が雷雨で急に増水することもあるので、現地の気象情報だけでなく上流・山間部の天候も合わせて確認を。
河川はカーブの外側は遠心力が働いて流れが速く、川底が削られて深くなる傾向にある。水底が見えない場所は急に深くなっていることが多いので、無理に足を踏み入れずに引き返す。広い河原では、急な増水で中州ができて取り残される恐れがある。中州となりそうな場所には、平常時も近づかないようにしたい。
■渓流はより注意
渓流はごつごつした岩が多く沢下りが楽しめるが、「川の流れが複雑で、急に深くなっている場所も多いので、より一層注意してほしい」(細井さん)。
積乱雲が見える、雷鳴が聞こえる、水かさが増えて水が濁る、漂流物が流れてくるといった場合は、増水する可能性が高い。増水に巻き込まれる恐れもあるので、橋の下では雨宿りせず一刻も早く高い所へ避難を。逃げ遅れてしまった人や流されてしまった人を見掛けても無理に助けに行かず、空のクーラーボックスやロープを渡すなどして、速やかに119番することを心にとどめておこう。
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