
国民的人気クラブの非常事態
コロコロは、チリのモニュメントともいうべきクラブである。1933年のチリリーグ創設以来90年にわたり、一度として2部に陥落したことがないチリで最も人気の高いクラブでもある。そのコロコロが、2月17日にウニベルシダード・デ・コンセプシオンをプレーオフで1対0と下し、かろうじて降格を免れたときには国民の多くが胸をなでおろした。チリで最も人気の高いクラブの非常事態。サポーターたちは「勝利かもしくは死を」という横断幕を掲げて怒りとともに決戦に臨んだのだった。 サポーターの怒りの矛先が向いたのは、低調なパフォーマンスしか見せられなかった選手ばかりではなかった。2005年に定められた法律で、クラブのトップチームは株式会社により運営されることが義務づけられたことで、親会社となったブランコ・イ・ネグロ(以下ByN)もまたサポーターから痛烈に批判された。不振の原因は、コロナ禍によるリーグの中断やその間の活動停止である以上に、クラブ形態の変化による構造的なものであったからである。 「危機はもう15年も続いている。ByNはサッカーをひとつの産業にして、そこから利益を得ようとしてる。だがチリでは、それがうまくいった例はない。コロコロは企業ではないし、金を生み出す機械でもない」と、クラブ最大のサポーター組織ガラ・ブランカの政治組織アンチファシスタスのメンバーであるアルフレッド・ビエルマは憤る。 ByNが推進するサッカーの近代化は、クラブが伝統的におこなってきたスポーツ活動や社会活動とは相いれなかった。クラブに所属するすべてのアマチュアチームが解体され、ファンとの交流活動も停止した。すると、ソシオのひとつで、2014年の選挙で勝利を得たコロコロ・デ・トドスから反撃の狼煙があがった。会長の座を得てもトップチームへの影響力はないが――意志決定はすべてByNがおこなう――ByNが停止した活動の穴を埋めることはできた。 「全国にスポーツスクールを設立した」と、反撃を推進したアレハンドロ・スニガ・ドロゲットは振り返る。
からの記事と詳細 ( 「勝利かもしくは死を」96年目で初の降格危機…チリの名門コロコロの“商業主義”が招いた低迷とサポーターの過剰な愛憎(Number Web) - Yahoo!ニュース )
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