松戸市内の母親たちでつくる市民グループ「まつど子育てコネクト」=通称マツコ=のメンバーが市議会や教育委員会の傍聴を続けている。コロナ禍をきっかけに、自分には無関係と思っていた「政治」が子育てや教育に密接にかかわっていることを肌で感じたからだ。人気テレビ番組名から題して「マツコの知らない政界〜市政ウオッチプロジェクト〜」。同志がじわじわと増殖中だ。(牧田幸夫)
二十三日に閉会した市議会六月定例会の会期中も、竹内幸枝代表(47)をはじめ約三十人のメンバーらは仕事や家事、育児の合間を縫って議会に足を運んだ。本会議はインターネット中継があるので自宅でも傍聴できる。
傍聴後は、LINE(ライン)オープンチャットで情報を共有する。傍聴で残ったモヤモヤ感や不明点は、このオープンチャットでのやりとりで解消し、理解を深めていく。書記担当の女性は(48)は「大事なことは議会を見守る市民の目を増やすこと。傍聴はハードルが高いという人は、まずオープンチャットに参加してみて」と話す。
マツコは昨年七月、オンライン学習の推進を求める「松戸市の子どもたちの学びと絆を守る会」などが母体となって発足。一年近い傍聴活動でメンバーが一番モヤモヤしているのが、市議会の新型コロナ感染拡大防止への取り組み。今年十二月まで本会議は議員が半分ずつ交代で出席し、質問時間削減が決まっている。一般質問は一時間から二十五分になった。
竹内代表は、感染防止対策を取って、他は削っても一般質問の時間は確保している流山市議会などを引き合いに「非常事態だからこそ、いつも以上に十分な時間をかけて議論を深めてほしい」と要望する。子育て世帯は未就学児の保育環境や、学齢期は学校での学びや感染対策、いじめ問題などさまざまな課題や不安と直面しているという。
マツコは松戸市議会六月定例会に、全議員出席の本会議開催と質問時間を通常に戻すことを求める陳情を提出。議会運営委員会で取り扱いを審議したが、賛成少数で委員会付託は実現しなかった。
それでも市議会ウオッチを長年続ける市内の男性(51)によると、子育て世代の母親が、本会議だけでなく各委員会にまで代わる代わる傍聴に訪れる姿は、近年なかったという。
同市は日経DUALの「共働き子育てしやすい街ランキング2020」の総合編で初の全国一位に輝いたが、その誇らしさも実感できてこそ。マツコのメンバーらは口々に「これからも議会や行政に対し、市民目線の声を上げていきたい」と話している。
関連キーワード
からの記事と詳細 ( 松戸の母親たちの団体「マツコの知らない政界」傍聴に夢中 質問時間削減にモヤモヤ 非常事態だから十分な時間を - 東京新聞 )
https://ift.tt/3vSkNID
0 Comments:
Post a Comment