2021年05月13日20時34分
【ワシントン時事】バイデン米政権は、激化するイスラエルとパレスチナの衝突の収拾に向け、外交努力を加速している。バイデン大統領は12日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談。ブリンケン国務長官もパレスチナ自治政府のアッバス議長と電話会談した。双方に事態沈静化を呼び掛け、国務省高官の現地派遣も決めた。
バイデン氏は、トランプ前政権と友好関係を築いたネタニヤフ政権と一定の距離を置いてきたが、この日は「イスラエルの自衛権への揺るぎない支持」を伝え、イスラム組織ハマスのロケット弾攻撃に対するパレスチナ自治区ガザへの報復空爆に理解を示した。米国の「親イスラエル」姿勢に変更がないことを明確にした格好だ。
一方、ブリンケン氏は記者会見で「イスラエルは、市民の犠牲を避けるために可能な限りあらゆる対応を取る特別な責任を負っている」と強調。攻撃のエスカレートを避けるよう促すことも忘れなかった。
バイデン政権は、過剰な親イスラエル政策を進めた前政権下で関係が途絶えたパレスチナ指導部との接触も再開。ブリンケン氏はアッバス氏に、ロケット弾攻撃を非難しつつ、緊張緩和と暴力停止の必要性を訴えた。バイデン政権発足後、アッバス氏と米高官の電話会談は初めてとみられる。
米国はテロ組織と認定するハマスとは直接交渉しない方針だが、ハマスとパイプがあるエジプトやカタールとも協議を始めた。イスラエルとハマスの停戦仲介を促しているもようだ。
対中政策を最重視し、外交の比重を中東からインド太平洋にシフトさせたいバイデン政権は、歴代政権と異なり、解決のめどが立たないパレスチナ問題に政治的資源を割くことを避けてきた。ワシントン・ポスト紙(電子版)は「今回の外交努力は、バイデン氏が避けたかった中東の泥沼に米国を引き込む危険がある」と指摘する。
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