(CNN) 米物理学協会の学術誌は26日までに、新型コロナウイルスの感染対策で一定の対人距離を確保せず、マスク着用のみに頼るのは十分な効果につながらない可能性があるとの新たな論文を掲載した。
他人と一定の距離を置かず接触した場合、くしゃみやせきに伴って放出される飛沫(ひまつ)が顔面に完全な密着状態にあるマスクを通じて侵入する可能性があると指摘。この恐れはN95型マスクを除く全てのマスクに当てはまるとした。
論文は米ニューメキシコ州立大学の微粒子停留問題などの研究者が作成。今回の研究結果については、マスク着用と対面での密接な接触などの出来るだけの回避を勧める公衆衛生当局の指針の正当性を十分に裏付ける材料になると主張した。
研究ではくしゃみやせきが発生する状況を特殊機器を使って人工的に創出し、5種のマスクを使って飛沫の予防効果などを検証。用いたマスクはN95型マスク、サージカルマスク、2層式の布マスク、標準タイプの布マスクに湿った2層式の布マスクだった。
この実験の結果、マスクを装着するウイルス保持者を想定した場合、マスクの顔面との密着度が満足出来る状態だったとしても、多くの小さな飛沫が漏れ出ることが判明したという。
今回の論文作成をまとめた同大准教授は声明で、マスク着用は間違いなく効果があるが他人と至近距離で接した場合、ウイルス伝播(でんぱ)につながる恐れが生じると強調。頼れるのはマスクだけでなく、対人距離を設ける努力とも主張した。
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