晩産化が進む中、一般女性は染色体異常の増加を不安に感じており、相談相手を強く求めていますが、なかなか得られない状況です。混乱は新型出生前診断(NIPT)以外の検査、無認可施設以外の施設でも起きています。陽性とされたときの戸惑いやストレスなど、当事者である妊娠中の女性達は、一体、どう感じているのか?
今回の調査結果には、20以上の詳細な質問項目に対する回答に、今の状況が反映されています。その実態とそれに伴う課題を明らかにし、対策を考えるための一助になればと願っています。
インターネット調査の概要
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河合蘭・ベビカム共同インターネット調査
「出生前診断のニーズに関するアンケート」
■回答期間
2020年10月2日(金)〜2020年10月11日(日)
■調査方法
インターネット調査 (「Questant」使用)
妊娠・育児情報サイト「ベビカム」にて会員に周知し考えや妊娠中の経験を聞いた。
経験については末子妊娠中のことを回答してもらう。
■回答者
出産体験者の女性、妊婦さん 515名
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今回のアンケートの主な結果を以下にまとめます。(具体的な設問内容はこのリリースの最後にまとめて掲載しています)
・高齢出産をする妊婦の最大の不安は染色体異常。
・何らかの検査を受けた人の割合は30代後半では4割、40代では6割。2012年調査は1.5割(35歳以上)だったので増加し、検査の種類も増えている。
・検査施設は増えているが、その一方で今なお、高齢妊娠でも7割の人はかかっている産科医と出生前診断の話をしていない。
・検査に思い悩む妊婦は、出生前診断の正しい情報や相談できる場を求めている。
・妊婦の97.4%が、陽性判定が出た場合はカウンセリングが必要と回答(30代後半の場合 「とてもそう思う」:77.1%,、「ややそう思う」:20.3%) 。
これらのことから、妊婦自身や家族が十分考えられるための、基本的な情報や心理的サポートが必要とされているが、そのサポート体制はまだ整備されてはいない現実が伺われます。今後、出生前診断を受信する妊婦がさらに増える傾向にあるため、サポート体制の早急な整備が望まれます。
また、出生前診断についての体験や希望、思うところなどのフリーコメントでは、合計3万文字近くにもなる、数多くの現実的な意見を集めることができました。「相談できる場・説明が欲しい」「よくわからなかった」「皆に説明して欲しい」「受けにくい」「怖い」「検査しようと思っていたのに違う気持ちに・・・」「しっかり考え、話しました」「夫婦で意見が別れることもある」「もう妊娠しません」といった数々の意見や、「陽性になった経験者として思うこと」「障害者家族として思うこと」なども寄せられ、今後の対策を考える上で、貴重な意見が集まりました。
なお、今回の調査結果のデータに関して、研究や現場での対策の目的や取材等の目的で関心のある方々には、広く共有することも検討していますので、以下までお問い合わせください。
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【お問い合わせフォーム】
https://questant.jp/q/babycome_research20121
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(参考)今回の調査の主な設問内容
Q かかっていた病産院では、出生前診断について、何らかの形で情報を提供しましたか?
Q あなたが受けたことがある出生前診断がありましたら、何を受けたか教えてください。
Q 出生前診断を受けた方にお聞きします。かかっていた病産院とは別の場所で受けましたか?
Q 出生前診断を受けた方にお聞きします。受けた理由は何ですか?
Q 新型出生前診断(NIPT)を受けた方にお聞きします。あなたが検査を受けたのは認定施設ですか?それとも認定外(無認可)の施設ですか?
Q 新型出生前診断(NIPT)を受けた方にお聞きします。結果はどのように知らされましたか?
Q 新型出生前診断(NIPT)を受けた方にお聞きします。あなたは、なぜ、その施設で新型出生前診断(NIPT)を受けたのですか?
Q 新型出生前診断(NIPT)を受けた方にお聞きします。あなたは、その施設で新型出生前診断(NIPT)を受けたことをどう感じていらっしゃいますか。
Q あなたは、出生前診断を受けるかどうか、迷いましたか?
Q 出生前診断を受けなかった方にお聞きします。受けなかった理由は何ですか?
Q 出生前診断について受けるかどうか考える時、もし検査で赤ちゃんに異常があったとわかった時などに、専門家が妊婦健診とは別に時間を取って、個別に相談に乗ってくれる場(病院では「遺伝カウンセリング」と呼ばれています)は必要だと思いますか?
Q 前の質問の、「検査で赤ちゃんに異常があるとわかった時」に相談できる場がどんな場であってほしいですか?
Q 妊娠初期の超音波検査で、あなたのかかっていた医師は「NT」と呼ばれる『胎児の首の後ろのむくみ』の厚み(胎児に病気がある確率が通常より高いサイン)を調べましたか?
Q ご出産時の年齢が35歳以上の方にお聞きします。高齢出産をするにあたり、何が一番不安ですか(でしたか)?
Q 出生前診断について、あなたのご体験や希望、思うところを何でもご自由にお書きください。
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【 河合 蘭 】
出産ジャーナリスト
1959年東京生まれ。3人の子の育児経験を持ち、女性の視点から、現代人が親になる際のさまざまな問題を本や記事の執筆、写真撮影等で追ってきた。厚生労働省が新たに立ち上げた「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会の構成員。
おもな著書は「科学ジャーナリスト賞2016」受賞作『出生前診断 出産ジャーナリストが見つめた現状と未来』(朝日新聞出版)、『卵子老化の真実』(文藝春秋)、『未妊-「産む」と決められない』(NHK出版)、『助産師と産むー病院でも、助産院でも、自宅でも』(岩波ブックレット)など。
講演、放送出演多数、日本周産期・新生児医学会、日本赤十字社看護大学、株式会社ピジョン本社等で写真展も開催。
東洋経済オンライン(東洋経済新報社)「ニッポンの出産は安心・安全なのか」、現代ビジネス - FRaU(講談社)「出生前診断と母たち」「新型コロナと妊婦」連載中。国立大学法人東京医科歯科大学、日本赤十字社助産師学校非常勤講師。
<公式ホームページ> http://www.kawairan.com/
【ベビカム株式会社について】
1996年創立。
1998年、 妊娠・出産・育児の不安を楽しみに変えるためのコミュニティサイト「ベビカム」を開設。 現在会員数は約35万人で日本最大級。コミュニティやブログサービスのほか、 専門家にも協力を得て、相談室や大百科的コンテンツ、 膨大な体験談などを提供。さらに、ユーザーのニーズに合った生活情報、 商品情報の提供や、セミナー・イベント等も行うとともに、自治体とも提携して、子育て中の女性の就業支援(WorkSmart)に関わる事業も展開している。
ベビカムでのリサーチの活動は、 キッズデザイン賞 審査委員長特別賞・社会貢献メディア賞を受賞しており、各分野の大手企業との商品開発やマーケティング等のコラボ活動も手がけている。
コロナ禍においては、いち早くオンラインでのベビカム両親学級を開催し、病院にもその仕組みを提供するとともに、ママたちがつながる毎日開催のオンラインライブお茶会「ベビカムMama Tea Break」などを継続展開中。
また、 本田技研工業のコミュニティ企画・運営をはじめ、 数多くの企業に向けて、 コミュニティの企画コンサルティング、 制作、 マーケティング、 運営サービス等も提供する。
ベビカム Webサイト( https://www.babycome.ne.jp )
ベビカムMama Tea Break (https://www.babycome.ne.jp/mama_teabreak/)
会社名: ベビカム株式会社
設立:1996年2月20日
資本金:8000万円
代表者: 代表取締役社長 安西正育
所在地: 東京都千代田区神田神保町3-3 神保町SF IIIビル 8階
ホームページ: https://company.babycome.jp
【本リリースに関するお問い合わせ先】
ベビカム株式会社 担当:山田妙子
TEL:03-5357-1857/FAX:03-5357-1858
E-Mail:prs@babycome.jp
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