楽天が11月7日に開催した、2019年度第3四半期の決算説明会で、楽天モバイルが10月に開始したMNOサービスの進捗(しんちょく)が明らかになった。
総務省から指導を受けるほど、基地局の開設に遅れが見られていたが、タレック・アミンCTOは「基地局の開設は、数カ月の間に大きな進捗が見られた」と話す。2019年12月末までに3000局が電波を発射予定で、2020年3月までに3432局を開設するという目標に向けて着実に遂行しているとした。ちなみに2019年12月末までに、4500局は契約締結予定、6500局は口頭内諾を受ける予定だという。楽天の三木谷浩史社長は「当初よりも前倒しで完了する手応えは得ている」と話す。なお現時点の基地局開設数は公表していない。
5000人限定の試験サービス「無料サポータープログラム」の開通率は、10月17日の82%から、11月4日には98.3%まで向上した。同プログラムのユーザーからは「つながらない、圏外の場所がある」との声が挙がっているが、三木谷氏は「路面上でいうと、ほぼつながる状況。後は地下を改善する必要はある。(基地局は)日々、多ければ60〜70局建っているので、使っていただいて不自由がないレベルまで近づきつつある」と話し、通信品質は日々向上していることを強調する。
三木谷氏の使用感だと、8〜9月はつながらないところが多かったが、現在は「つながらない所はほぼない」という。「ネットワークのクオリティーについては、いいものができている」と自信を見せる。なお、無料サポータープログラムのユーザーは、平均で1日約1GBのデータ通信を行っているという。無料で使い放題ということもあり、ヘビーに使う人が多いことも分かった。
MNOの本サービスは、無料サポータープログラムでネットワークの安定稼働が確認でき次第、提供するとされてきたが、時期は未定。三木谷氏は、基地局とカバレッジがある一定水準を超え、技術的な検証を終えてから「できるだけ早急に商用化したい」と述べた。
東名阪以外の地域ではKDDIのローミングを活用しているが、自前の基地局開設を前倒しで進めることで、2028年までの設備投資額である6000億円は、抑えられる見通しだという。
ドコモから回線を借りるMVNOも同時に展開していることから、ドコモから批判を受けているが、三木谷氏は「MVNOは法律の範囲内でバランス良くやっていきたい。順次、MNOにシフトできればと思っている」と述べるにとどめた。
モバイル事業の業績は、MVNO事業の伸びに比例して売り上げは伸びているが、MNO事業への投資がかさんだ結果、営業利益は約145億円の赤字に。ただ「リターンは大きなものが見込める」と三木谷氏は期待を寄せた。
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2019-11-07 09:17:00Z
https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1911/07/news137.html
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