自動車保険の不正請求が疑われていたビッグモーター(BM)との取引を、再開すべきか否か――。
2022年7月6日午前11時。東京・新宿にある損害保険ジャパン本社の会議室に、白川儀一(ぎいち)社長(53)、飯豊聡副社長(61)ら幹部が集まった。
すでにBMは窮地にあった。
「上司の指示で事故車に過剰な修理をし、損保に修理費を不正請求している」
従業員が21年11月、損保の業界団体である日本損害保険協会に通報。BMに事故車の修理を取り次いでいた損保ジャパン、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険の3社はこの内容を把握し、22年6月、BMへの事故車の紹介を止めていた。
損保大手3社からの事故車の紹介がなくなれば、BMは貴重な収益源を失う。事故車の紹介数に応じて自賠責保険を割り振っていた取り決めを停止するなどし、損保各社が再開に動くよう揺さぶりをかけた。
BM側は、当時の兼重宏行社長(71)が7月11日に損保ジャパンの役員と会いたいと連絡してきた。BM側はその場で、事故車の紹介の再開を求めてくるだろう。その前に、損保ジャパンは方針を固めておく必要があった。
連載「蜜月の代償」
ビッグモーターで発覚した保険金請求をめぐる不正の数々は、財界トップも輩出する大手損保の一角、損保ジャパンの社長辞任に発展しました。両社の蜜月関係はいかに築かれてきたのか。その代償とは。関係者への徹底取材をもとに、全5回で報告します。
気になる他社の動き
「不穏な動きがある」
7月6日の会議の冒頭、営業…
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