ファンドによる東芝へのTOB(株式公開買い付け)を巡り、高い買い付け価格への過剰な期待がしぼんでいる。世界の景気減速などを受け、米証券会社は将来の予想株価を2割強引き下げた。銀行団がTOBの原資となるファンド向け融資の金額を慎重に見積もっていることも、買い付け価格の重しになる。
米証券のジェフリーズは景気減速などを理由に、東芝の目標株価を従来から2割強引き下げた(写真=AP/アフロ)
東芝のTOB価格について、高水準にはならないとの見立てが株式市場で広まっている。米証券ジェフリーズは11月14日付のリポートで東芝株の評価を従来のホールド(安定)からアンダーパフォーム(期待未達)に改め、将来予想である「目標株価」を従来の5340円から4060円へと一気に引き下げた。
世界的な景気変動の波がハイテク業界にも襲いかかる。ジェフリーズは東芝が保有する半導体メモリー大手、キオクシアホールディングス株の価値を1兆5000億円と保守的に算定した。さらに東芝の本業による収益も成長鈍化を見込み、PER(株価収益率)15倍を妥当な水準として目標株価を算出した。
ジェフリーズは、M&A交渉が長引いて企業価値を損なう、というリスクも織り込んだ。エクイティ・アナリストのエトゥル・ゴヤル氏らは「東芝の買収を巡って不透明な状況が続けば、従業員の士気と会社の競争力を毀損する」と指摘。さらに「現状の経営権・オーナーシップを巡る苦闘を考えると、今後数年にわたって収益が停滞しかねない」とした。
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