
[フランクフルト 7日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が7日に公表した9月9日の理事会の議事要旨によると、政策当局者は理事会後に公表された声明や発言の内容よりもインフレに対する懸念が強く、資産買い入れ額についてもより大幅な縮小が協議されていたことが分かった。
ECBは9日の理事会で、新型コロナウイルス対応の債券買い入れプログラムの買い入れ規模縮小を決定。現行の1兆8500億ユーロ規模のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の買い入れ規模を、前2四半期の月間800億ユーロから小幅縮小すると発表した。
ただ、一部の政策当局者はECBの対応が経済回復に同調していないと主張し、資産買い入れ額のより大幅な縮小を求めたという。
議事要旨では「(PEPPの)枠組みを対称的に適用すれば、買い入れペースをより大幅に縮小する必要があるとの主張があった。この観点から見れば、年初と同水準の買い入れペースが適切になる」とした。
また「市場はすでに2022年3月までにPEPPによる資産買い入れが終了することを見込んでいるとの議論がなされた」としたほか、「PEPPがなくても全体的な金融政策のスタンスは非常に緩和的との指摘があった」という。
ただ、最終的には資産買い入れ額のより大幅な削減は緩和的な金融政策からの脱却への一歩とみなされる可能性があり、中期的なインフレ見通しの弱さを考慮するとそのような動きは時期尚早と判断し、より慎重な決定を下したとした。
<インフレ>
ECBのラガルド総裁は理事会後にインフレ懸念を和らげたものの、議事要旨ではインフレ圧力への懸念が高まっていることが示された。
議事要旨は「インフレ見通しに対するリスクは上向きに傾いていると広く捉えられている」と指摘。政策当局者は、ECBはインフレの「レジームシフト」の可能性を注視しておく必要があると主張した。
賃金は高インフレの定着を示していないものの、一部の当局者は供給のボトルネックや過剰な貯蓄に加え、価格高騰の期間と規模がインフレ高進第2弾につながる可能性があると警告した。
また、今年のインフレ率の大幅なオーバーシュートを受けて予測モデルが適切に機能しているかを検討。「予測モデルが現在の経済状況、パンデミックによる構造的な変化、ECBの新たな金融政策戦略の影響をどの程度捉えているのかについて疑問が生じている」とした。
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