美と健康のお悩み相談室
美容&健康のコラム連載。今知りたい気になる話題から、すぐに試せるテクニックなど、美容と健康のプロが皆さんのお悩みに答えます。
【お悩み】シミは再発するって本当ですか?
レーザーで消しても完治しないのでしょうか。
【回答】速攻で改善できますが完治はむずかしい。細心のアフターケアが決め手です
回答者/近藤須雅子さん(美容ジャーナリスト) レーザー照射でシミが消えても、しばらくするとまた再発する、とよく言われます。実際のところはどうなのか、自由が丘クリニックでシミ治療などを担当されている皮膚科専門医、松浦佳奈先生に伺いました。 「残念ですが、再発の可能性はあります。特に、肝斑(かんぱん)と呼ばれるシミは再発しやすいですね」と正直な回答。
シミはメラニン色素が肌表面にこびりついているのではありません
レーザーはメラニン色素を消すことでシミを改善しますが、基本的にメラニンをつくっている細胞(メラノサイト)には働きかけません。この細胞まで壊してしまうと、適切な量のメラニン色素をつくることができず肌が白く抜けてしまうんですね。そうなると治療はシミ以上に大変です。半面、ちゃんと残っているので、またメラニン色素を過剰につくってしまい、シミになる可能性があるのです。 シミとは、“メラニン色素が焦げのようにこびりついている状態だから、焦げをはがせば取れる”、というわけではないのです。 度重なる紫外線ダメージなどで、ある一部のメラノサイトの調子が乱れて、紫外線を浴びていなくても常にメラニン色素を過剰につくり出しているから、そこだけが濃くなってシミに。なので、そもそもの原因であるメラノサイトだけでなく皮膚全体の不調を直さないと、レーザー照射などで過剰なメラニン色素だけを消しても、根本的な解決にはなりにくいのです。
シミ部分に刺激を与えないことが、再発を防ぐ最大のポイント
「シミの部分のメラノサイトは常に興奮しやすくて、また肌の土台も弱っているため、少しの刺激でメラニンを過剰につくり、シミになってしまっているんですね。これをなだめるためには、内服薬や塗り薬などを併用して体の内側からも治療することが大切です。普段のケアに美白化粧品を取り入れるのもいいですね」 メラノサイトの不調が落ち着けば、レーザーやフォトフェイシャルなどで過剰なメラニン色素を取り除くことで、かなり改善する可能性が。また、たとえ数年後に再発することがあっても、レーザー治療などを受けることで現在あるシミは改善は可能です。ただし、いずれの場合も、慎重なアフターケアが重要に。 「レーザー照射自体が刺激なので、適切な出力で照射しないとメラノサイトが興奮してメラニンを増やす可能性があります。ですので、せっかくレーザー治療をしても、カサブタをはがしたりこすったりと余分な刺激を与えると、メラノサイトが活性化されてメラニンが過剰につくられてシミになってしまいます」 きちんとアフターケアを心がけ、同時に再発予防のケアを継続すること。これこそが透明肌を守る王道です。 近藤須雅子さん 美容ジャーナリスト。京都生まれ。女性誌・美容誌をはじめ、多数の媒体で美容記事に携わり、35年以上にわたり最前線で活躍。趣味は着物、美術鑑賞など。
イラスト/umao 取材・文/佐野有子
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