AMDは、様々なプラットフォームをサポートする超解像技術「FidelityFX Super Resolution」の提供を開始した。
FidelityFX Super Resolution(FSR)は、同社がオープンソースで提供しているツールキット「FidelityFX」に新たに加わるもの。FidelityFXではすでに8種類のエフェクトを用意しており、これまでに45以上のゲームタイトルで採用されてきたという。
今回新たに加わるFSRでは、負荷の高いレイトレーシングにより十分な性能が確保できない環境や、リソースの限られたゲーミングノートPCなどにおいても、高解像度や高フレームレートでのゲームプレイを実現するという。NVIDIAの提供するDLSS(Deep Learning Super Sampling)などの類似技術に相当するが、例えばDLSSがGeForce RTXシリーズGPUを必須とする一方で、FSRでは旧世代を含むAMD製GPUや競合となるNVIDIA製GPUでも動作するのが大きな特徴となっている。
処理は大きく2つの段階に分かれており、まずユーザーが選択したプリセットに応じたスケーリングで、ターゲット出力より低解像度にレンダリングしたソースを用意。これに対して、画像を分析しエッジ再構成を行なう独自アルゴリズムの適用や補完のシャープネス処理を施してアップスケールを行なう。前者でグラフィックス処理の負荷軽減、後者で画質低下を抑制することで、高品質な映像を保ちながら性能の向上が図れるとする。
プリセットは高品質なものから順に、Ultra Quality、Quality、Balanced、Performanceの4種類。「GODFALL」を用いた同社の検証によれば、Radeon RX 6800 XT搭載環境で4K/EPIC設定にてレイトレーシングを有効にした場合、4Kネイティブ時ではフレームレートが59fpsほどにとどまる一方、FSRを有効時では最も高品質なUltra Qualityで87fps、最も高性能なPerformanceで145fpsが発揮できるという。
また、同じくRadeon RX 6800 XT搭載環境にて、4K最高設定でFSRをPerformanceプリセットで有効にした場合、「TERMINATOR RESISTANCE」(レイトレーシング非対応)では最大2.5倍、「RIFT BREAKER」(レイトレーシング有効)で最大2.6倍のフレームレートが発揮できたという。
さらに、競合製品となるGeForce GTX 1060搭載環境/1080p最高設定の場合では、FSRをPerformanceプリセットで有効にすると、約1.5~1.8倍の性能向上が可能になるという。
FSRでは、マシンラーニングベースのアルゴリズムや専用ハードウェアを使用しないことから多くの機器で利用でき、GPU上のみで動作するためCPUへのオーバーヘッドもないとしている。ゲーム側の対応が必要となるものの、統合は容易に行なえるとしており、クロスプラットフォームへの対応や、DirectX 11/12、Vulkan APIもサポートする。
対応機器は新旧幅広く、AMD製品ではRadeon RX 460以上、RX 500シリーズ、RX VEGAシリーズ、RX 5000/6000シリーズ(モバイル含む)、およびRyzen 2000シリーズ以降のAPUで動作が可能。競合製品では、GeForce GTX 10/16シリーズおよびRTX 20シリーズ以降で利用できるとしている。
22日のリリース時点では、GODFALLやTERMINATOR RESISTANCE、RIFT BREAKERなど7タイトルが対応。今後、RESIDENT EVIL VILLAGE(バイオハザードヴィレッジ)やFARCRY 6、DOTA 2などでも利用可能になる予定。そのほか、様々なゲーム開発会社やゲームエンジンがパートナーとして発表されており、対応タイトルも拡大していく見込み。
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