AI搭載のロボット掃除機や、モップとのハイブリッド型も!
ロボット掃除機といえば「ルンバ」を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、最近ではそのほかにも様々なメーカーから多彩なモデルが登場しています。
Wirecutterが検証した結果、自動でゴミ捨てをしてくれる便利なものもあれば、人間の足をペットの排泄物と認識してしまうお茶目なものまで気になるロボット掃除機が続出。みなさんはどれが1番気になりましたか?
ペットの毛もパンくずも黙々と片付けてくれるロボット掃除機。基本的にはスイッチを押すだけですが、事前に床にあるものを片付ける習慣もできていつもより整頓した状態をキープしやすくなったりもします。
Wirecutterが何十種類ものロボット掃除機を試した結果、もっともおすすめできると評価したのは、シンプルで定評のあるiRobot ルンバ600シリーズでした。
おすすめロボット掃除機 1位:やっぱり頼れるiRobot ルンバ614
信頼できて修理できる、そしてカーペットの掃除が得意なロボット掃除機。他メーカーの同様のロボット掃除機に比べても耐久性に優れていて修理も可能。ラグの掃除にも向いています。もっとも効果を発揮できるのは、一度に3~4部屋ほどの掃除。軽やかで、動かなくなることもほとんどなし。
おすすめロボット掃除機 (同列)1位:やっぱり頼れるiRobot ルンバ675
信頼できて修理できる、接続できるロボット掃除機。基本的にルンバ614と同じですが、Wi-Fi接続することでスマホアプリからの遠隔操作、スケジュール管理、スマートホーム音声アシスタントとの連携などが可能。
普段は見落としがちなゴミもしっかり回収してくれて、ほかのロボットよりもカーペットの掃除が得意。丈夫で修理可能な長く付き合える家電です。セミランダムな動きは低価格帯のロボットでもすでに一般的ですが、約90平方メートル以内であれば完璧に機能してくれます。ただ、このランダムさが気になるという人もいるかもしれませんし、もっと広いスペースでは安定した効果が得られない可能性も。こうした場合、もう少し高価なロボット掃除機を検討するのが良さそうです。
iRobot ルンバ600シリーズは、同価格帯のロボットに比べると音が大きく、家具へのあたり方が荒いという一面もあります。600シリーズには種類がいくつかありますが、重要な違いはWi-Fiに接続できるかどうかだけです(スマホアプリで遠隔操作やスケジュール設定ができます)。
おすすめロボット掃除機 2位:お手頃で静音のEufy RoboVac 11S
静かで軽やかなお手頃ロボット掃除機。
今回テストしたなかでもっとも静か。狭い場所での使用に適していて、より多くの家具の下に入り込んで掃除してくれました。途中でつまずいて動かなくなることもほぼなく、フローリングや毛足の短いカーペットでもしっかりと仕事をしてくれますが、ルンバほどの耐久性は期待できません。
インテリアに馴染みやすいロボット掃除機といえば「Eufy RoboVac 11S」です。ベーシックで手頃なこのロボット掃除機は、掃除機というよりも机上扇風機のように静かで稼働していることに気づかないほど。他のロボット掃除機よりも薄型なためより多くの家具の下に入り込み、隠れたゴミを拾ってくれます。大きな欠点は平均して2年以上の耐久性が期待できないこと。また、柔らかく厚手のカーペットに対応するほどの吸引力はありません。ルンバ600シリーズやそのほかの手頃なロボット掃除機と同様に、セミランダムな動きで狭いスペースでの使用に適しています。
このほかにもEufyにはWi-Fi対応やよりパワフルな吸引力など、高度な機能を装備したロボット掃除機が12種類以上あります(※一部日本で販売していない機種もあり)。たとえば「Goovi」や「Coresy」などのブランドから機能的には同じコピー商品が数多く出ています。Wirecutterでもそのうち2台を試してみましたが、ビープ音を含め基本的には同じでした(ただし、他のブランドのカスタマーサービスがEufyほど対応してくれるかどうかはわかりません)。
おすすめロボット掃除機 3位:スマートで優雅に動くRoborock S4 Max
良心価格で超スマートなロボット掃除機。広い空間を素早く優雅に移動することができ、スマホアプリを使って特定の部屋やゾーンを掃除する(他の部屋は無視する)ことも可能。堅牢で柔軟なシステムを備えています。
家の広さを問わずほとんどの空間を徹底的に掃除することができるのが「Roborock S4 Max」です。一度の掃除で家のレイアウトを学習してくれて、特定の部屋だけを掃除するように指定することも可能。ペットの水飲み場や繊細な家具近くなど立ち入り禁止区域を設定することだってできます。こうした動作はスマホアプリのインタラクティブなマップを使ってセットできるようになっています。
障害物を回避するのに優れていて経路に沿って(ランダムにぶつかったり、ある空間だけ飛ばしたりすることもなし)、広い床面積も素早く徹底的にカバーすることができます。ただしルンバほど頑丈ではないことや、カーペットの種類によっては他社モデルより苦戦することが難点としてageられます。操作はできるだけシンプルが良いという人や、Wi-Fiに接続したくない人には不向きかもしれません。
「Roborock S4 Max」は新しいモデルで通常は430ドル(約4万7000円)で販売されています。これは十分妥当といえる価格設定ですが、確かな情報筋によると320ドル(約3万5000円)まで下がることもあるようです。「Roborock S5」や「Roborock S6」シリーズなどの上位機種は、追加料金を出すほどの機能ではないためおすすめしません。2020年後半の時点で「Roborock S4 Max」とほぼ同じ機能を持ちながら価格が大幅に安いロボットは数多くありますが、Wirecutterではおすすめしません。
おすすめロボット掃除機 4位:スマートで徹底的に掃除するiRobot Roomba i3
優秀でスマートなロボット掃除機。カーペットに絡まったペットの毛を取り除くのに優れています。広いスペースでも軽快に、安定して徹底的に掃除してくれますが、高度な機能は足りないと感じる場合も。他のルンバと同様に耐久性はばっちり。
おすすめロボット掃除機(同列)4位:自動ゴミ捨てドックつきiRobot Roomba i3+
自分でゴミ処理できるロボット掃除機。
ルンバi3に充電ドックが組み合わさったもの。掃除が終わると自動でゴミを処理してくれるので、ロボット掃除機のなかでも便利。
「Roborock」と比べると掃除スピードやスマートさ、コントロール性は落ちますが、よりシンプルで耐久性が高い「iRobot ルンバ i3」は多くの種類のカーペットの掃除に適していて、広い家を掃除する能力もあります。
ルンバならではの頑丈で耐久性のある基盤をベースに、よりパワフルな吸引力と絡みにくいブラシつきで清掃力を改善。さらにセンサーや処理機能を追加し、広いスペース(または狭いスペース)を整然とした動きで確実に掃除してくれます。「ルンバi3+」はもうひとつの優れたオプションとして、回収したゴミを自動的に充電ドックに入れてくれるのが便利です。
iRobot社は旧型のルンバ900シリーズやハイエンドの「ルンバi7」など類似モデルをいくつか販売していて、どれも検討の価値があります。最近では「ルンバi3」(コストコでは「ルンバi4」としても販売)が最もお買い得になっています。
ロボット掃除機が必要なのってどんな人?
ロボット掃除機をまだ使ったことのない人のなかには、本当にちゃんと掃除してくれるのか疑問に感じている人もいるかもしれません。結論からいうと、おそらく人間が掃除機を動かすよりも多くの時間をかけて徹底的に掃除してくれます。
ほとんどの種類の床、間取り、一般的な家庭ごみに対応していて、特にペットを飼っている人や時間に追われている人、掃除機をかけるのが苦手だという人はロボット掃除機を使うと楽になります。毎日あるいは週に数回稼働させれば、床にパンくずやペットの毛が溜まっていくことも避けられます。
多くのロボット掃除機は、スタートボタンを押すだけ。掃除が終わると(たいていは無事に)自動で充電ドックに戻ってくれます。稼働スケジュールが設定できて、アプリや音声アシスタントで電源を入れることも可能です。なかには、自分で拾ったゴミを処理してくれるものもあります。
優れたロボット掃除機は、ほとんどの種類の床材や間取り、一般的な家庭ごみに対応しています。ロボット掃除機1台だけで済ませる人もいますが、多くのロボット掃除機ユーザーは(分厚いカーペットの掃除など)通常の掃除機と併せて使用しているようです。
ロボット掃除機を使用するうえでいくつか注意すべきことがあります。たとえば、通常の掃除機と比べて吸引力がはるかに弱く、カーペットに入り込んだ埃や髪の毛などを十分に拾うことはできません。
階段の上り下りには対応していませんが、持ち上げて移動させてあげることは可能です。電源コードや軽量のフロアマット、洗濯物など、床にあるものにロボット掃除機が引っ掛かってしまうことがあります。また、犬の排泄物が床に落ちていると危険です。
今回Wirecutterがテストしたロボット掃除機のいずれも、時折なにかに引っかかったりつまづいたりしている様子が目撃されました。また、掃除が終わったら確実にドックまで戻ってくるとはかぎりませんでした。これは間取りやドックの位置、ロボット掃除機の動き方にもよります。
ロボット掃除機の使用が向いていない家もあれば、高度なナビゲーションやスマートな機能を備えたハイエンドモデルであっても、うまく掃除できないこともあります。ロボット掃除機がスムーズに動けるように空間を調整すると、より確実に掃除してくれます。
ひとつだけアドバイスができるとしたら、ロボット掃除機の動きを目で追わないのが得策です。変な方向に曲がったり場所を間違えたり、障害物から逃がれようと苦戦したりすることがあっても放置してあげましょう。そうすれば、たまにゴミ箱をきれいにして、あとはきれいになった床を穏やかに眺めるだけで済みます。もしどうしても気になってしまいそうだという場合には、購入前にくわしい返品保証を確認しておくと良いかもしれません。
おすすめロボット掃除機1位:やっぱり頼れる「iRobot ルンバ 614」/「ルンバ 675」
お手頃価格のロボット掃除機は数多くありますが、なかでもオススメできるのがルンバ600シリーズです。耐久性があって修理が可能、さまざまな種類のカーペットを掃除できて髪の毛を吸い取るのが得意なロボット掃除機です。さほど広くないスペースの掃除に最適ですが、セミランダムな動きをするなどナビゲーションシステムにちょっとした癖があります。それなりの価格できっちり仕事をこなしてくれる1台です。
600シリーズには、いくつかのバリエーションがあります。今回は「ルンバ675」を代表的に紹介していますがモデルナンバーが6で始まるルンバであれば基本的に同じことがいえます。違いがあるとしたら、Wi-Fi機能の有無。「ルンバ675」はWi-Fi対応でアプリや音声アシスタントで操作することができる一方、「ルンバ614」はWi-Fi非対応で掃除スケジュールの設定ができません。「ルンバ630」や「ルンバ650」(Wi-Fiなし)、「ルンバ690」(Wi-Fiあり)といった旧モデルも同様です。
耐久性が期待できる600シリーズは「数年で壊れた」というような話もあまりなく、メインホイールの1つや掃除機のトランスミッション全体を交換する必要がある場合でも、iRobot社に直接部品を注文すれば自宅でドリルやドライバーを使って修理をすることができます。iRobot社には2002年に発売された初代ルンバをはじめ、それ以降に発売されたすべてのモデルのブラシやバッテリー、車輪、ごみ箱部分などあらゆるパーツの在庫があります。自宅で修理できないという場合には、iRobot社のサービスを利用することもできます。
おすすめロボット掃除機2位として紹介している「Eufy 11S」や「Ecovacs N79S」と比べると「ルンバ675」は値段が多少高めですが、長持ちするためその価値はあるといえます。我が家は「ルンバ650」を4年間使用しましたが、非常によく持ちこたえてくれました。Wirecutterにはほかにもルンバ600シリーズを所有しているスタッフが数名いますが、頑丈で頼れると好評です。
他の手頃な価格のロボットはブラシが1つなのに対して「ルンバ675」には、逆回転するブラシロールが2つ、サスペンションシステムに取り付けられています。これにより、特に厚みのあるカーペットに隠れているような髪の毛を吸い取ることができるようです。iRobot社は吸引力や風量のデータを公開していませんが、測定してみると「ルンバ614」も「ルンバ675」も比較的弱め。それを補ってくれるのがこのブラシだと考えられます。
また、他の安価なロボットにはなく「ルンバ675」にあるのがゴミ検知システム。通過地点にゴミが多いと感知すると、停止して何度か往復し、できるだけ多くのゴミを吸い上げてくれます。
もうひとつの強みは、途中で引っかかりづらいこと。障害物に引っかかっるとその障害の性質を認識し、特別なパターンで動いて打開しようとするようです。敷居にはまると前後に揺れて抜け出そうとしたり、ブラシロールに何かが詰まるとその場から離れていったりします。現在では多くのロボット掃除機がこの機能を備えていますが、ルンバも同様に優れています。
Wi-Fi対応の「ルンバ675」は、アプリを使って電源のオン / オフ、掃除のスケジュール設定、フィルターの交換時期やセンサーの清掃時期などの確認ができるほか、Amazon AlexaやGoogle Homeでの操作も可能です。音声コマンドは、スタート、ストップ、ベースを探すように指示することはできますが、現時点ではそれだけともいえます。人によっては、便利だと感じるかもしれませんが、まったく使わないという人もいるでしょう。
「ルンバ675」の気になったこと
基本的に「ルンバ675」は、バッテリーが切れるまでセミランダムに動き回り、完全にバッテリーが切れる前にドックに戻ろうとします(ただし確実に戻れるとは限りません)。90分のバッテリー駆動時間、効果的なブラシデザイン、汚れ検知センサーなどのスマートな機能により、約90平方メートル内であれば確実に掃除することができます。もっとスマートなロボットが欲しいという場合には「Roborock S4 Max」の方が相性が良いかもしれません。
他の安価なロボット掃除機と比べると「ルンバ675」は若干荒めです。速度は落とすものの、障害物にぶつかっても止まろうとはしません。ポンポンという音を立てるのが気になったり、花瓶をサイドテーブルから落とすのではと不安になったりしそうな場合は、「Eufy」のような穏やかなロボットや「Roborock」のように障害物を避けて走行するロボットを検討してみてください。
現行のルンバ600シリーズにはバリアシステムが搭載されていませんが、iRobot社製バーチャルウォール(別売)と連動させることができます。これにより目に見えない「越えてはいけない壁」ができ、出入り口を塞いだりペットのボウルにロボットを近づけないなど切り替えることができます。安価なロボット(「Eufy」の一部モデルなど)に採用されている磁気ストリップよりも見栄えが良く、ハイエンドなロボットに採用されているソフトウェアベースのバリアよりも扱いが簡単なはずです。ただ、iRobot社から購入すると高価なので、「Roborock S4」のようにスマートマッピング機能を備えたロボット掃除機にアップグレードするという選択肢もあります。
おすすめロボット掃除機2位:お手頃で静音の「Eufy RoboVac 11S」
セミランダムなナビゲーションを備えた「Eufy RoboVac 11S」は、頼れるお手頃価格のロボット掃除機です。(アルファベットではなく)数字で始まるほかの「Eufy」モデルも同様のことがいえます。特に狭いスペースで効果を発揮しますが、基本的にどのような家でも役立つはず。ベーシックモデルの「Eufy」(11シリーズを含む)は、これまでWirecutterがテストしたなかで最も静かで、最も薄型のロボット掃除機です。
フローリングや足が短めのカーペットに対して十分な掃除能力を発揮し、セール時にはルンバ600シリーズよりもはるかに安い価格で購入できます。じつは2年ほど前まで「RoboVac 11S」はおすすめ第1位でしたが、ルンバほどの耐久性が期待できず、修理を前提に作られていないことから第2位という位置付けになりました。
作動中は動いているとわからないほど静か。従来の掃除機は吸引力が強く70dBc以上の音が出ることが多いなか、最強設定にしても57dBcと「ルンバ675」よりも5dBcです。通常設定では53dBcで掃除機というよりも扇風機くらいの音です。
また、ほとんどの障害物を避けて走行することができ、荒々しい「ルンバ675」のように家具にあたる衝撃音はあまり発生しません。ほかのEufyのベーシックモデルは吸引力がやや強いため多少音が大きくなることもありますが、それでもほとんどの競合製品よりは静かです。
もうひとつの意外な利点は、他社モデルよりも厚みがなく家具の隙間に入りやすいこと。本体は約7cmで「ルンバ675」よりも2.5cm薄く、初めてベッドの下に入り込んでいくのをみたときは驚きましたが、出てきた頃にはブラシロールに巻きついた猫の毛の量が尋常ではなかったのでさらにびっくりしました。
ルンバにはない機能としてEufyのロボット掃除機には手動操縦モードがあるのも特徴です。これは手持ち掃除機のように、部分的にサクッと掃除をしたいときに便利です。
ブラシロールは小さいですが「RoboVac 11S」の掃除能力は十分高いです。もっとカーペットに絡んだ髪の毛も吸い込んでほしいという場合は、ブラシの動きが良いルンバや他の多くのロボットのように吸引力が強いロボット掃除機を検討するのが良いかもしれません。
「RoboVac」シリーズの最大の欠点は耐久性。ルンバほど長持ちせず、壊れても修理ができません。「RoboVac 11S」が発売されて1年ほど経った頃から「完全に使えなくなった」という苦情を目にするようになりました。旧型の「Eufy RoboVac 30」を解体してみましたが、ロボットの部品を取り壊さない限り大がかりな修理は不可能だと判明しました。
1年以内にロボットが故障した場合には保証があり、保証期間外の故障については新しいロボット掃除機の割引購入ができるようになっています。フィルター、ブラシローラー、サイドブラシ、ブラシガード、バッテリーなどの部品はアマゾンで販売されていますが、iRobot社のように本体を送れば部品を交換してくれるといったサービスはありません。
おそらく多くの場合は、Eufyのロボットを数年使用することができると考えられます。ただ、ルンバほど長持ちしないことは心得ておいた方が良いのかもしれません。
また、いくつかEufyのコピー商品も見かけるようになりました。Coredy、Goovi、Onson、Tesvor、Amareyといったノーブランドのロボット掃除機で、サイズは「Eufy RoboVac 11S」とほぼ変わりません。Wirecutterでは、試しにGooviモデルの1つを購入しましたが、機能、部品、ビープ音やブープ音までも「Eufy RoboVac 11S」と同じであることがわかりました(掲載内容が常に変化しているようなので、リンクは控えます)。
「RoboVac 11S」やその他Eufyのモデルと同じ仕様のものを見かけたら、おそらく同じように機能するでしょう。安くなっていたら買ってみるのも良いかもしれませんが、注意点としてはEufyはカスタマーサービスに定評があるのに対し、こうした類似製品を扱うブランドはウェブ上にほとんど存在しておらず、問題が発生しても迅速に対応してもらえない可能性があることです。
Wirecutterでは「Ecovacs Deebot N79S」(EcovacsのサブブランドであるYeediのモデルに類似)、「iLife A4s」(iLifeのサブブランドであるNoiszのモデルに類似)、「Eureka Groove」など標準的なEufyとは少し異なるタイプのロボット掃除機も試してみました。基本的には問題ありませんが、Eufyの敏捷性やルンバの耐久性には敵わないことが判明しました。
おすすめロボット掃除機3位:スマートで優雅に動く「Roborock S4 Max」
ロボット掃除機のなかでも最も賢く、最もコントロールしやすいナビゲーションを備えているのが「Roborock S4 Max」です。スマートマップ機能(付属のスマートフォンアプリ、Wi-Fi接続で使用可能)は、Wirecutterがこれまで使用してきたなかで最も優れていて、簡単に特定エリアの掃除を指定したり回避エリアを設定したりできます。
ただし、カーペット掃除の性能や耐久性などの基本的な部分に欠点があります。また価格は手頃ではあるものの、2020年後半に数多く登場したクローン製品と並べると、常にお得とはいいづらい状況です。とはいえこうしたコピー商品が明らかに優れているということはなく、ここ数年で着実な評価を得ているRoborockの「S4 Max」の方が安心しておすすめできるロボット掃除機ではあります。
特に注目したいのはやはりスマートマップ機能。レーザーレンジファインダー(LiDAR)やバンプセンサーにより、1度の掃除でフロアプランを学習し、アプリでインタラクティブなマップを作成。このマップを使うと、部屋の掃除や立ち入り禁止区域の設定などの便利な機能を活用できます。他のロボットのように手動でロボットを移動させたり、物理的なバリアをセットしたりする必要はありません。
「S4 Max」はスマートマップ機能を備えた唯一のロボットではなく、常に完璧に動作してくれるというわけでもありません。ただ、最も堅牢で柔軟なシステムを備えた「S4 Max」は、現在のロボット掃除機にできることならばなんでもできる1台だといえます。
レーザーナビゲーションを採用している「S4 Max」は、家具の脚など明らかな障害物を避けて走行したり、壁際で停止したりすることができます。家じゅうのアクセス可能な場所を見逃すことはほとんどなく、カメラベースのロボット掃除機のように暗いところの掃除で苦戦することもありません。また、LiDARで検出できなかったものを見落としてしまった場合でも、ほかのロボットよりも早く正確に軌道修正してくれます。
こうした小さな最適化の積み重ねにより、ほかのロボット掃除機と比べても圧倒的に短い時間で掃除することができます。約55平方メートルであれば30分で掃除を完了させます。これは「ルンバi7」(「ルンバi3」よりも数分程度速い)よりも約15分短く、他の高速レーザーナビロボットとほぼ同じペースとなります。家が広いほどこうした掃除スピードは重宝できるでしょう。
大容量バッテリーのおかげで、吸引力を最も強い状態にセットしても1度の充電で少なくとも約6,000平方メートルの掃除ができます。ほかの人気ロボット掃除機は同じスペースの掃除となると、しばらく掃除を中断して再充電する必要があります。
「S4 Max」の欠点は、標的とした部屋の掃除やその他のスマートマップ機能を利用したい場合、(多くの同様のロボット掃除機にいえることですが)慣れるまでに若干時間が必要なこと。ロボットをWi-Fiに接続し(ルーターの2.4GHz周波数のみを使用)、アプリ(Xiaomi HomeまたはRoborock独自のアプリのいずれか。機能は若干異なりますが、後者の方がよりシンプル)とペアリングする必要があり、アイコンとサブメニューに慣れるまでには時間がかかります。
また、境界線を描くツールが不完全なため、ゾーン別にうまく掃除したい場合は少し試行錯誤することがあります。スイッチを入れるとただ掃除を始め、バッテリーが切れるまで(あるいは他に掃除する場所がなくなるまで)掃除を続けるような、単純なロボット掃除機の方が向いているという人もいるでしょう。
掃除の性能は十分ですが目を見張るほどではありません。「S4 Max」は最も強い吸引力の設定にすると、フローリングからほとんどのゴミを吸い上げるうえで十分な力を発揮します。ブラシもほとんどの種類のカーペットから表面上のゴミならば拾うことができますが、デュアルブラシを搭載したルンバのように埋もれた髪の毛を掘り起こすことはできません。
「Roborock S4」などの旧モデルでは0.5cm以上の段差があるとカーペットの上まで辿り着けなかったり、ブラシが動かなくなったりして苦戦していましたが、「S4 Max」はドアの敷居など少し背の高いところでも登るのが得意なようです。
ロボット掃除機だけでなく通常の掃除機でも難しい厚手のカーペットの掃除で基本的にブラシ詰まりはありませんでしたが、サイドブラシを使った際には数cmのパイルが絡まって止まることも(サイドブラシを外した方がうまくいきました)。ただ、それでもカーペット上はゆっくりと移動する傾向があり、他社製品よりもゴミを拾いにくいような印象を受けました。執筆時点で「S4 Max」のレビューが少ないため、旧モデルのように一般的な厚さのカーペットでどの程度苦戦するといった情報はまだ集まっていません(「S5 Max」は問題なく動作することがわかっています)。
結論として、厚いカーペットを掃除したい場合は別のモデルを検討するのが無難かもしれません。カーペットの毛が短く、たとえばその上を歩いてもパイルに沈んだり足跡がついたりしないような長さであれば、「S4 Max」で十分でしょう。
信頼性や寿命については平均的で、ルンバと大きな差はありません。Roborock社はスペアブラシやフィルターなどの消耗品の在庫を確保していないため、交換には手間がかかるかもしれません。同社に長期的な製品サポート戦略について尋ねたところ、明確な回答は得られませんでした。
Amazonのユーザーレビューはあまり信頼できず、Roborockについては数名のユーザーが批判的なレビューを改善または削除するためにギフトカードを提供されたという声もあがっています。
「Roborock S4 Max」の代替案
「S4 Max」が在庫切れだったり、価格が高かったりする場合には、似たようなモデルを選ぶのも手です。旧型の「Ozmo 920」と新型の「Ozmo T5」など「Ecovacs Deebot Ozmo」シリーズは「S4 Max」よりも厚手のカーペットに対応し、高い敷居を越えるのを得意としています。このシリーズの欠点としては、安定したネット接続を維持するのに苦労すること。スマートマップを搭載したロボット掃除機ではアプリが重要なためイライラすることも。
「Proscenic M7 Pro」や「Kyvol Cybovac S31」は「S4 Max」よりも安価で手に入るため、実績のないブランドでも問題ないという人は試してみる価値があるかもしれません。ただ、アプリやマニュアルの翻訳、ボットのナレーションなど細部の作り込みが甘いところもあります。レビューによれば、Proscenicの主な不満点はアプリの不具合や不安定さ、カスタマーサービスの対応などがあげられています。Kyvolはレビューが少なく現段階で決定的な情報は得られなさそうです。両モデルとも自動でゴミ箱を空にするドックと連携することができ、Wirecutterがテストしたかぎりでは期待通りに機能しています。ただ、目詰まりの起こしやすさや予備のバッグの入手しやすさについては確証を得ていません。
同様の機能でさらに安価なロボット掃除機には「Tesvor S6」があります。Wirecutterが信頼を置くスマートプラグや室内用セキュリティカメラを手がけるメーカーWyzeからは、同様のモデルが発売されています。
「Eufy RoboVac L70 Hybrid」は見た目も機能も似ていますが現時点では割高で、マップ機能が不便(たとえばキッチンの掃除には、手動でゾーンを描き、境界線を引く必要があるなど)です。
この分野のブランドでおそらく唯一避けたいのが360。Wirecutterが試した「360 S9」は問題なく動作し、安価な「S5」や「S7」も同様に良いのかもしれませんが、親会社であるQihoo 360は「米国の国家安全保障や外交政策の利益に反する行為を行っていると米国政府が判断した」ことを意味するEntity Listに掲載されています。
よりハイエンドな「Roborock S5 Max」、「S6 Pure」、「S6 MaxV」、「Ecovacs Ozmo 950」、「Ozmo T8」、「Ozmo T8 AIVI」はどれも基本的には良く(お買い得な場合もあり、購入を避けるべきとは言い切れませんが)追加機能はそれほど便利ではないためコスパの高さは期待できません。「S6 Pure」、「Ozmo 950」、「Ozmo T8」は、バッテリー駆動時間や吸引力が若干上回りますが、それ以外では価格を正当化するような利点が見当たらないかもしれません。「Roborock S5 Max」、「S6 MaxV」、「T8 AIVI」はモップ機能が充実していますが、それでもSwifferには及びません。「T8 AIVI」や「S6 MaxV」は障害物検知AIが搭載されていますが、靴下に引っかかったり犬の排泄物を確実に避けられるとは限りません。
おすすめロボット掃除機4位:スマートで徹底的に掃除する「ルンバ i3 」、「ルンバ i3+」
賢さは3位の「Roborock S4 Max」に負けますが、「iRobot ルンバi3」は家のフロア全体を(ほぼ)予測可能な動きで確実に掃除できます。本体は頑丈で、強力なクリーナーが搭載されています。
「ルンバi3」は2020年秋に登場した新しい製品。「ルンバ600」と同様に高い耐久性が評価できます。ゴム製の逆回転式抽出ロールのおかげで、特に柔らかいカーペットについたペットの毛を取るのが得意。ルンバ600シリーズや「Roborock S4 Max」が掃除を終えた直後に「ルンバi3」を走らせると、「ルンバi3」は髪の毛や大きめのゴミなどゴミ箱が半分埋まった状態で戻ってきたことも。
一方(ほとんどのロボット掃除機と同様に)フローリングから砂のようなゴミを吸い取る作業は完璧ではありません。また、毛足の長いカーペットでは、強力なブラシが詰まって苦戦することもあるかもしれません。とはいえ、多くの家庭の床で、同価格帯のほかの優れたロボット掃除機よりも安定してゴミを吸い取ることができると考えられます。定量的な吸引力のスペックは公表されていませんが、iRobot社によると「ルンバi3」はルンバ600の10倍の吸引力があるとのこと。
「ルンバi3」はほかのロボットと比べるとナビシステムが充実していないにもかかわらず、広い空間を徹底的に掃除することができます。他のルンバロボットと同じように掃除途中で引っかかることが少なく、LiDARを利用した賢いナビゲーターにより家具の下や壁近くの掃除もこなしてくれます。
現時点でルンバのなかで新しく最も手頃なモデルでもあります。家中を整然と動きまわり、同じ場所を掃除し直すのに時間を費やしたり特定の場所を見逃したりすることがなく、確実にドックに戻ってきます。
1回の充電で使用できるのは最大75分で、これは掃除終了時のエッジクリーニングを含めて約92平方メートル(小さな部屋ごとに分かれている場合はもう少し短め)の広さに対応できることになります。同価格帯の他のロボットと比較すると稼働時間は短めですが(マッピング対応の他のロボットと同様に)途中で充電(90分間)したあとに中断したところから再開することができます。
「ルンバi3」のナビゲーションシステムは(「ルンバi7」や900シリーズのようにカメラで位置を追跡するのではなく)ジャイロスコープ、センサー、マッピング技術を利用。時折ランダムに数部屋先にあるドックに戻ったり、角に突っ込んだりすることもあるようで、iRobot社の担当者によるとこれは自分の位置を地図上で確認するためのプロセスの一部であるとのこと。カメラ付きのルンバは天井を見て位置を判断しますが、「ルンバi3」は掃除の途中で30cm以上動かしても掃除を続けますが、無駄な動きをするようになったり再ドッキングがうまくいかなかったりすることもあります。
iRobotのクリーンベースに対応しているバージョンは「Roomba i3+」として200ドル(約2万2000円)追加で販売されています。他メーカーのセルフエンプティシステムに比べて目詰まりしにくくて修理もしやすいと評価されています。iRobot社公式の交換用バッグは3個入りで2000円以上と高価で、非公式の8個入りで15ドル(約1,600円)の製品を使っていますが今のところ問題ありません。
「ルンバi3」最大の欠点はスマートマップ機能がないこと。毎回ゼロからセッションを開始し、可能な限り空いている場所をすべて掃除することを目指します。立ち入り禁止区域を設定したり、特定の部屋だけ掃除するように指示したりすることはできません。代わりにiRobot社のバーチャルウォール(赤外線の見えない壁をつくる)を使用するか、物理的にロボットの通り道を塞ぐことで対処します。
「ルンバi3」はWi-Fiに接続できて、必要に応じてiRobotアプリで操作(起動、停止、清掃スケジュールの設定など)もできます。また、AlexaやGoogleの音声アシスタントにも対応しています。
同じくiRobot社から販売されている同様のモデルはいくつかあり、コストコで販売されている「ルンバi4 」は「ルンバi3」と同じです。「ルンバ i7」は、スマートマップ機能を備えたカメラベースのナビゲーターで、特定の部屋やゾーンだけ掃除するように設定することができます。「ルンバi3」や900シリーズよりも効率的な経路をたどるためより早く作業を終えることができ、大容量のバッテリーを搭載しているのも魅力です。「ルンバi7+」は「ルンバi3+」と同様でクリーンベースの付属版となっています。コストコでは「ルンバi8+」、アマゾンでは「ルンバi6+」が販売されていますが、機能的には「ルンバi7+」と同じなので一番安いものを選ぶと良さそうです。
今後注目すべき最新のロボット掃除機
2021年初頭、いくつかのハイエンドなロボット掃除機が発表されました。
最も注目すべきは掃除機とモップのハイブリッドである「Roborock S7」。カーペットを感知するとモップを収納できるというもので、これがうまく機能すれば従来のようにスマホアプリで禁止ゾーンを手動で描く必要がなくなることになります。モップは振動するとのことですが「EcoVacs T8 Power Mop」のように音が気になる場合もあるかもしれません。ロボットとは別売りですが、バッグ不要の自動ゴミ処理に対応しています。
「LG CordZero R9」、「Samsung Jetbot 90 AI+」はハイエンドなコードレス掃除機に搭載されているハードウェアを使用しているため、ロボット掃除機のなかでは最も強力と期待できます。さらに現在の最上位機種に期待されるスマートマッピングや接続機能をすべて備えています。これらのロボット掃除機が一般家庭の床の微妙なニュアンスにどれほど対応できるかはまだ検証する必要があります。
Eufyからは「RoboVac L80」「L80 Hybrid」が発表されました。スタンダードなRoborockのクローンと考えられますが、価格はそれぞれ550ドル(約6万円)、600ドル(約6万6000円)と高め。ダストボックスのデザインを一新し、2つの気流タービンを搭載することで、清掃性能を向上させているのがポイントです。
その他スマートマップ対応のロボット掃除機をテストした結果
スマートマップ対応のロボット掃除機として「Shark IQ RV1001」シリーズがあります。同じような価格の「Roborock S4 Max」(およびその後継機)や、「ルンバi7」(同様のカメラベースのナビゲーションシステムを採用)と比べると、迅速さや正確さ、制御性に欠けている印象です。ほとんどの場面では強力な掃除能力を発揮してくれますが、カーペットに関してはルンバの方が有利。フローリングでは、まるで芝刈り機が遠くで動いているかのような音がします。
Neato社のロボット掃除機「Botvac」は、強力な吸引力で大きくてパワフルなブラシを装備。D型のボディを採用しているため、丸いボディに比べて角の掃除をわずかに得意としています。同社は他のブランドよりもずっと長くロボット掃除機を作ってきて、2010年から2015年くらいまではルンバの唯一のライバルでした。また、現在のスマートマップ機能のようなものを最初に搭載した会社でもあります。しかし、床からラグへの昇降がうまくいかないことやドアの敷居を越えるのが難しいことなど、根本的な弱点があります。Wi-Fiの接続性が安定せず(LiDARを使用しているにもかかわらず)D4、D6、D7では「Roborock S4 Max」などと比べてもナビゲーションが遅く精度も低く、スマートマッピング機能が不便です。
基本的にルンバは優秀なロボット掃除機ですが、例外となるのがiRobot ルンバs9(自動ゴミ処理ドックつきの場合ルンバs9+)です。ルンバとしては初のD型デザイン(角を掃除しやすいように)を採用していて、明らかに収まりきらないスペースに不器用ながらも頑なに押し入ろうとして家具に当たるのが難点。同社によるとソフトウェアアップデートにより動きの問題を修正するとのことですが、最近のレビューを見てもパフォーマンスの一貫性がないと指摘されています。きちんと動作しているときは「ルンバi7」同様の優れたスマートマッピングシステムを備えた、最も強力な製品です(ただし、音はかなり大きい)。
中価格帯のロボット掃除機はどうなの?
スマートマップ機能非対応ながら、カメラやジャイロスコープベースのナビゲーションシステムによりS字型の動きで確実に掃除してくれるロボット掃除機は多数あります。「ルンバi3」や旧型の900シリーズなどはその良い例です。それ以外の場合は、基本的な部分で欠けているモデルが目立ちます。
たとえば「Trifo Max」はWirecutterのテストでは問題なく機能していましたが、ユーザーレビューでは「すぐに迷子になる」「耐久性に欠ける」「カスタマーサービスが悪い」といった声も。サムスンの「Powerbot R7」シリーズは、特に最上位機種では高い掃除能力を発揮しますが、カーペットの切り替えやテーブル下の散らかったスペースなど、単純な障害物の周りでは停止しがちです。
ミーレ社は多くの素晴らしい家電製品を製造していますが「Scout RX2」に関しては不具合が多く、混乱しやすいとか。Eufyの「RoboVac G30 Edge」は「RoboVac 11S」のように静かで薄く軽快な一方、狭い場所を見逃しがちで割高です。「Roborock E4」や「Ecovacs Deebot 601」も同様のことがいえます。「Electrolux Pure i9」は独自の3Dマッピングシステムにより障害物を避けるのには優れていた一方で、バッテリーの寿命が短くて無駄な動きをする傾向があるため、狭い部屋でも効率性が悪く確実に掃除をすることができませんでした。ロボットとハンディタイプのハイブリッド機「Coral One」は最もうるさくてWi-Fiやバリアシステムがなく、手持ち型なのに重たいなどの理由からおすすめできません。
AI対応ロボット掃除機は、まだまだ不器用?
優れたロボット掃除機は一般的な障害物を避けることには長けていますが、靴やおもちゃ、洗濯物や軽量のフロアマットなど床にある簡単なものはあらかじめ拾っておくユーザーが多数います。
高度な人工知能によってこうした障害物を回避できるロボット掃除機も登場しましたが、実際は確実に避けられるとは限りません。ロボット掃除機が動けなくなるのを防いだり、少なくとも立ち往生した場所から抜け出す時間を短縮したりすることはできるといった具合です。そのため、現時点ではこの機能に多額の費用を割く必要はないといえます。
「Roborock S6 MaxV」や「Ecovacs T8 AIVI」は(2020年8月下旬の時点で)最新のファームウェアにアップデートした後でも、犬の排泄物(ピーナッツバター、ヌテラ、レーズンを混ぜて模したもの)を避けるテストに数度失敗。「Roborock S6 MaxV」はリアルタイムマップ上では最初は糞と認識したものの、なぜか認識を解除してそのまま踏み込んでいきました。さらには私の足もなぜか排泄物と認識していたのが印象的です。ランプの台座や靴などの障害物を避けることはできることもありますが、「Roborock」モデルは認識したりしなかったり安定せず。「Roborock」も「Ecovacs」も、靴を認識したのに突っ込んでいく姿を見せていました。
家のなかでロボット掃除機がいつも引っかかる場所があってどうしようもない場合には、物理的なバリアを設置するか、スマートマップ機能で立ち入り禁止区域を設定するのが、シンプルで手頃な方法だといえそうです(ただし、これでも完全に正確な結果が得られるとはかぎりません)。
モップとのハイブリット型ロボット掃除機の効果は薄めか
LiDARを利用したハイエンドなロボット掃除機の多くは、モップ(正確にはフロアワイパー)として機能します。吸気口後部に水タンク(洗浄液は不可)とマイクロファイバーパッドを取り付けるだけで、掃除機をかけながら床を水拭きすることが可能です。
いくつか試してみた結果、床をまったく拭かないよりは断然良いですが、通常の水拭き掃除や洗浄スプレーを使ったモップがけには及ばない印象を受けました。「Ecovacs T8 AIVI」や「Roborock S5 Max」、「S6 MaxV」など追加機能を備えたモデルでも、お金をかけるほど価値のある効果は実感できませんでした。
例外としては2020年後半に発売された「Bissell SpinWave」があります。洗浄液の使用を想定していて、回転するモップパッドで汚れをしっかりと落とすことができます。ホームオートメーションに興味がある場合、選択肢のひとつとして検討してみるのも良いかもしれません。
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