ドイツのアンゲラ・メルケル首相は3日、イギリスのオックスフォード大学とアストラゼネカが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、それまでの方針を見直し、65歳以上の接種も認めると発表した。
そのため、ドイツ国内では同ワクチンの効果を疑う声が拡大。接種を拒否する人も現れ、多くが未使用となってきた。
しかし、メルケル氏はこの日、すべての年齢層での接種を承認するのに十分なデータが、最近の研究で示されたと述べた。
ドイツではこれまでに、国民の約5%がワクチン接種を受けている。
メルケル氏は、イギリスが実施している1回目と2回目の接種の間隔を延ばす方策をドイツも取り、できるだけ多くの人に1回目の接種を受けさせたいと述べた。
<関連記事>
アストラゼネカ製ワクチンをめぐっては、さまざまな研究で、高齢者にも効果が大きいという結果が出ている。
フランスは1日に方針転換を発表。基礎疾患のある高齢者にも接種を認めるとした。ベルギーも高齢者への接種を認める予定だとしている。
欧州の接種に遅れ
欧州連合(EU)の医薬品規制当局、欧州医薬品庁(EMA)は1月、アストラゼネカ製ワクチンについて、すべての年齢層での使用を認めている。
しかし、フランスやベルギー、イタリアなどの規制当局がデータ不足を理由に、65歳以上には使用すべきではないと勧告。それを受け、接種に懐疑的な見方がそれらの国などで広がった。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は1月、アストラゼネカ製ワクチンについて、高齢者層には「ほぼ効果がなさそうだ」と述べた。英政府や英医薬品規制当局は、この見方に強く反発した。
以来、EU加盟のいくつかの国ではアストラゼネカ製ワクチンが使われず、接種のペースは落ちた。
一方、EUを離脱し、アストラゼネカ製ワクチンの使用を全年齢層で承認しているイギリスでは、人口の3割近い約2070万人が1回目の接種を受けている。
ドイツの制限緩和の動き
メルケル氏はこの日、連邦州政府トップらと、新型ウイルス対策の制限を段階的に緩和していくことで同意したと述べた。ただ、感染者数が急増した場合には、厳しい制限を復活させる「緊急ブレーキ」を引く可能性があるとした。
「私たちはパンデミックの新たな局面の入り口に立っており、不注意には踏み出せないが、それなりの希望をもって進める」
8日からは、2世帯の最大5人が集まれるようになる。14歳未満の子どもは人数に含められない。
地域の感染者数が10万人あたり50人を下回れば、一部の商店で再開が認められる。同50人以上の場合は、店は訪れる客からあらかじめ予約を取る必要がある。同100人超が3日以上続くと、制限が再導入される。
アストラゼネカ製ワクチン
英保健当局は、オックスフォード/アストラゼネカのワクチンがすべての年齢層に「高いレベルの防御効果」をもたらすとしている。
臨床試験でアストラゼネカ製ワクチンを接種した人で、新型ウイルスによって病院に入院したり、重症になったりした人は出ていない。
同ワクチンは腕に2回接種する。1回目と2回目の間隔は4~12週間。
からの記事と詳細 ( ドイツもアストラゼネカ製ワクチン、65歳以上も接種へ 首相が表明 - BBCニュース )
https://ift.tt/3e8vscY
0 Comments:
Post a Comment