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日本や中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN)など計15カ国が加盟する地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が、来年1月に発効することになった。 人口と域内総生産(GDP)が、世界全体の約3割を占める最大級の経済圏がアジアに誕生することになる。 まずは日本や中国、オーストラリアなど手続きが完了した計10カ国でスタートする。 新型コロナウイルス流行からの経済回復に向け、貿易・投資の活発化による後押しとなることが期待されよう。 RCEPは、関税削減や投資などの統一ルールにより自由貿易を推進する枠組みだ。 日本にとって最大の貿易相手国である中国と、3番目にあたる韓国と結ぶ初めての経済連携協定(EPA)となる。昨年11月に各国が協定に署名し、国内手続きを進めてきた。 加盟国全体の関税撤廃率は品目ベースで91%となる。日本から輸出する自動車部品などの工業製品にかかる関税は段階的に下がり、最終的には92%が撤廃される。輸出企業にとって追い風になるとみられる。 日本政府は、協定発効によって国内のGDPを約2・7%押し上げ、雇用は約57万人増えると試算している。 2018年12月に発効した環太平洋連携協定(TPP)における日本の関税撤廃率95%に比べると緩やかだが、経済効果は大きく上回る。 注目されるのは、中国が参加している点だ。 RCEPでは、国が進出企業に対して技術移転を要求することを禁止する規定が設けられ、中国は初めて受け入れた。 商標を含む知的財産の保護や、データの流通などに関する電子商取引(EC)についても、一定の国際ルールが適用される。 ただ、国際的に問題視されている中国政府による国有企業への過剰な補助金の投入をはじめ、環境、労働問題などに関する規定は盛り込まれていない。 中国は9月、こうしたルール水準や関税撤廃率がより厳しいTPPへの加盟を申請した。 RCEPの協定内容を守れるかどうかは、中国にとってTPP加盟への試金石になろう。 TPP議長国の日本は、関係各国と連携しながら、中国の順守状況を注視していくことが求められる。
からの記事と詳細 ( 社説:RCEP発効へ 中国の協定順守注視を(京都新聞) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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