(CNN) 旅客機にファーストクラスがあまり導入されなくなって久しいが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で旧型の飛行機が引退に追い込まれれば、空の旅が再開した時、国際線ファーストクラスはほとんど「過去の遺物」と化すだろう。
そして従来のファーストクラスに取って代わるのが、新世代の「スーパービジネス・ミニスイート」だ。通常のビジネスクラスよりも広く、プライベートな空間を作り出すためのドアを備えるが、ファーストクラスのような過剰な豪華さはなく、ビジネスクラス並みの価格で利用可能だ。
このスーパービジネスとは最高級のビジネスクラスを意味し、ベッドのように完全にフラットになる座席や、ビジネスクラスのサービスをさらに改良したサービスを特徴とする。最大の目玉はプライバシーを確保するためのドアで、このドアを閉めることで、まるでミニスイートにいるような感覚が味わえる。
「ミニスイートの急速なデザインの進化を見れば、各航空会社が、強化されたプライバシーによるより質の高い睡眠や、より快適な作業スペース、より大きな収納を乗客に提供することにいかに真剣に取り組んでいるかが分かる」と語るのは、東京に拠点を置くデザイン会社リフト・エアロ・デザインのマネジングディレクター、ダニエル・バロン氏だ。同社は、航空会社や座席メーカーと協力して航空機のキャビン(客室)を製作している。
バロン氏は、目に見える製品レベルの引き上げは、一般に収益や顧客ロイヤリティー、またはその両方の向上につながると考えられているため、スーパービジネス・ミニスイートは航空会社にとって重要だと指摘する。仮に競合他社が同様の製品の導入に踏み切っても、開発や導入にかかるリードタイムがあるため、「市場の破壊者」の競争上の優位性は約2年間続く可能性が高いという。
複雑なパズル
確かに、機内で1杯の「ドン・ペリニヨン」や「クリュッグ」を楽しみながらキャビンや外界から隔離されたプライベートな空間を確保できるという他では味わえない空前の豪華さを誇るファーストクラスが登場したのはつい2007年のことだ。
シンガポール航空が、最初のエアバスA380型機にこの豪華なファーストクラスを導入し、以来、豪華な空の旅の代名詞となっている。現在、シンガポール航空はエアバスA380型機の新仕様機にスイートの第2世代を導入している。
他にエミレーツ航空、エティハド航空、アシアナ航空、大韓航空、中国東方航空、スイス・インターナショナル・エアラインズ、ガルーダ・インドネシア航空、全日空もドアを閉めると個室になるタイプのファーストクラス席を導入した。しかし、このドア付きの個室タイプは、17年にカタール航空の「Qsuite」が登場するまでファーストクラスに限られていた。
Qsuiteはカタール航空独自のシートだが、同様のスーパービジネスシートを提供している、あるいは今後提供予定の航空会社は増えており、その例としてデルタ航空、中国東方航空、ジェットブルー航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、上海航空、アエロフロート、中国国際航空などが挙げられる。
リフトのバロン氏は「航空機の座席は、エンジニアリング、人間工学、美学、重量管理、コスト管理、サプライチェーン(供給網)管理など、さまざまな課題で構成される複雑なパズルだ」と言う。
「ドア付きのまゆ」
中国国際航空は、ドイツのシートメーカー、レカロ製の最新のミニスイート「CL6720」を導入した。
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