M1チップ搭載MacBook Airの一部モデル(8コアGPU版)は、13インチM1 MacBook Proとまったく同じプロセッサを搭載していますが、同じパフォーマンスが出るわけではありません。なぜかといえば、MacBook Proには冷却ファンがあり、MacBook Airにはないためです。おそらくプロセッサの破損などを防ぐサーマルスロットリング(CPUが高温になるとクロック数を下げて温度を下げる)が発動しているためと推測されます。
しかし「筐体内部にサーマルパッド(放熱を助けるパッド)を付け足してやる」だけの簡単な改造により、お手ごろ価格のM1 MacBook AirでもPro並みのスピードが出ることを実証した動画が公開されています。
YouTuberのHigh on Tech氏は、M1 MacBook Airの熱対策を改善することでパフォーマンスを大幅に引き上げられるノウハウを明かしています。そのために必要なのはP5(星型)ドライバーと2000円程度で買えるサーマルパッドだけです。
このサーマルパッドは、MacBook Air内のM1チップセット上にあるヒートシンクに設置されています。これによりヒートシンクと本体の底面カバーの間の隙間が埋められ、実質的に底面カバーそのものが1つの大きなヒートシンクになるわけです。本来ならば内部で循環されていた熱が、筐体から直ちに外へと放出されやすくなる仕組みです。
手短にいえば「MacBook Airの底面カバーを外し、サーマルパッドを貼る」だけ。他の部品に手を加える必要もなく、故障を引き起こす恐れも最小限に抑えられています。
しかしパフォーマンスの向上は、実に目を見張るものがあります。High on Tech氏によるCinebenchテストでは、改造版のMacBook Airは7718のスコアを達成。この数値はM1 MacBook Proの7764にわずかに及ばず、無改造のM1 MacBook Airの6412を大きく引き離しています。
とはいえ、この改造にはいくつかのデメリットが伴うことになります。1つは底面カバーをヒートシンク代わりにするために熱くなり、膝の上に置いて使うことが多い人には向いてないかもしれません。
もう1つは、もちろん改造行為に当たるために、アップルの標準保証やApple Care+の対象外となる可能性もあることです。
M1 MacBook Airと13インチMacBook Proは「8コアCPUと8コアGPU、512GBストレージ」の条件を揃えれば約3万円の価格差となりますが、公式保証を重視するなら安全にProを選び、Airの軽さや持ち運びやすさを最優先するなら改造に挑戦してみてもよさそうです。ただし、くれぐれも自己責任ということで。
Source:High on Tech(YouTube)
via:Cult of Mac
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