Thursday, November 4, 2021

有機ELになったNintendo Switch、画面だけでPro並みの満足感 - GIZMODO JAPAN

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Proじゃなくても、これだけでいい。

Nintendo Switchに有機ELモデルが誕生しました。噂されてたProモデルじゃないにしろ、よりキレイで大きくなった画面には心動く人も多いんじゃないでしょうか? 米GizmodoのAndrew Liszewski記者が、みんなが買い替える必要あるかどうかレビューしてますので、以下どうぞ!


ゲーム機のライフサイクルの後の方に、新しいハードウェアがリリースされるのって、まぁ定番です。ゲームボーイアドバンス、Nintendo DS、3DSと、この何十年と今までいろいろありました。Nintendo Switchも5年目となる一方、Proバージョンはまだ噂でしかないこのタイミングで「Nintendo Switch(有機ELモデル)」(以下、有機EL Switch)が投下されたのは、いかにも年末商戦対策感があります。でも、完全オーバーホールじゃないにしても、特にSwitch本体でプレイする派の人には、有機EL Switchはうれしいアップグレードです。

任天堂の携帯ゲーム機で長年遊んできた僕らは、この会社が最先端のディスプレイ技術にそんなに前のめりじゃないことを知ってます。初代ゲームボーイのディスプレイなんて見ててつらかったし、DSのデュアルスクリーンはPlayStation Portableのキラキラ画面より3世代くらい前の遺物みたいでした。初代SwitchもSwitch Liteも、液晶パネルなのが残念だったので、ついに有機ELを載せたSwitchがやってきたのは素直にうれしいです。次世代Switchがどんなものになろうとも、それは有機ELディスプレイになることでしょう。プレイヤーがディスプレイの違いを見てしまった以上、後戻りはできないはずです。

Nintendo Switch(有機ELモデル)

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Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

これは何?:より大きく美しい7インチ有機ELディスプレイ搭載、(前と違って)ちゃんと使いたくなるキックスタンド付きで、ドックもアップグレードされたNintendo Switch

価格:350ドル(日本国内価格:3万7980円)

好きなところ:有機ELってだけで「プロ」感あり、新しくなったキックスタンド

好きじゃないところ:画面解像度が720pで粗さが目立つことあり、ジョイコンのドリフト問題が未解決

なんたって美しいスクリーン

今はまだ初代Nintendo Switch(厳密には第2世代)も買えて、その価格は300ドルと有機ELモデルより50ドル(日本の価格でも約5,000円)安いです。有機EL Switchにはそれを正当化する理由がいくつかありますが、やっぱりこの美しい画面には一番納得します。

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有機ELの鮮やかな色と深いコントラストで、他の部分は同じでもアップグレードを実感
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

7インチの有機EL画面は、初代Switchの6.2インチ液晶画面より大きいですが、画面周りの黒いベゼルは格段に細くなっています。初代Switchと有機EL Switchの本体サイズはほとんど変わらず、画面だけが大きくなったので、相対的に画面がもっと大きく見えます。

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画面サイズの差は0.8インチだけですが、ベゼルが細くなった分、7インチディスプレイがもっと大きく感じられます
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

画面が大きいことにはすぐ慣れますが、今まで数年やってきたいろんなゲームを1週間ほどプレイしてみても、有機ELの美しさには今でも目を奪われます。有機ELディスプレイのメリットはご存じの通り、鮮やかな色、にじみのない明るい白、突出したコントラストにありますが、それを任天堂の携帯ゲーム機で見ると魔法のように感じます。たぶん僕の脳は無意識に、任天堂のゲーム機に画質を期待しないように学習しちゃっていましたが、その分このアップグレードには歓喜してます。

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『スーパーマリオ オデッセイ』みたいなカラフルなゲームは、飛び出すような迫力。最初からプレイし直したくなります
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

悪役が影に隠れてるみたいなムーディなゲームが好きな人は、画面の暗い部分が完全に真っ黒になって黒いベゼルに溶け込む有機ELのメリットをすぐ享受できます。でも、僕的に有機EL Switchを立ち上げるたびにクリスマスの朝みたいに感じられる理由は、この深い色の鮮やかさです。ホーム画面のショートカットまでも前よりリッチで魅力的に見えるし、『スーパーマリオ オデッセイ』みたいなカラフルなゲームに至っては、もはやまったく別のゲームみたいです。マリオの赤いコスチュームが、虹彩に焼き付くような感覚に襲われます。喜ばしいと同時に、今までの画面に甘んじていた自分がかわいそう…っていうほど初代Switchもダメじゃないかもしれませんが、とにかく新旧Switchの違いはそれくらい明らかです。

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有機EL Switchの解像度は初代Switchと同じ720p
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

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近づきすぎると、ピクセルとかガタガタが見えます
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

前と変わってないのは、本体ディスプレイの解像度が720pのままなので、スマホゲームより低いってことです。これを1,080pにするには多分中身の処理能力を上げなきゃいけないし、バッテリーライフも心もとないしって事情なんでしょう。でも、初代と同じく、ドックモードなら1080pで出力できます。次世代モデルでは、この点改善期待です。

取ってつけたみたいじゃないキックスタンド

初代Switchのキックスタンドって、自分が学生時代に書いた小論文みたいだなってよく言ってます。つまり、締め切り直前でやっつけでまとめたような感じがするんです。でも、僕はそれでもだいたい「可」をもらえてたんですが、初代Switchのキックスタンドは、ギリギリ合格するかどうかって感じです。

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初代Switchのキックスタンド(右)は、ほとんど使えませんでした
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

初代Switchのキックスタンドは頼りなくて、サポートできる角度はひとつしかないし、かわいそうだけど「機能」と呼べるほどの意味もなかったと思います。4年前にSwitchの箱を開けたときに1回使ってみましたが、こんなヒラヒラのプラスチックに300ドルのゲーム機を預けるのは怖いなと思って、microSDカードを挿し込んでから、その後触ってませんでした。

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Switch有機ELモデルのキックスタンドは本体と同じ幅があり、がっしりしたヒンジは調整可能。安心してプレイできます
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

Switch 有機ELのキックスタンドは完全にリデザインされ、なかなか素晴らしいんです。本体の幅いっぱいのスタンドで、そのヒンジはMicrosoft Surfaceとかに使われてるような、すごくしっかりしたスタイルのものです。

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キックスタンドは150度くらい動かせて、どの角度でもしっかりホールド。大事なゲーム機を任せて大丈夫か、ハラハラすることもなし
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

なので、このキックスタンドはほぼどの角度でも本体を支えることができ、だいたい150度くらいまで角度を変えられます。これでやっとSwitchが最初から言ってた「どこでもジョイコンを外して友だちとプレイ」っていう使い方が、ほんとの意味で可能になりました。

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microSDカードスロットの向きは初代とは90度変わりました
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

ヒンジがリデザインされたことで、microSDカードスロットの向きが90度変わりました。機能的には変わらないんですが、キックスタンドを出そうとしてうっかりカードの下に指を差し込んでしまう事案を防げそうです。

ドックも新しくなった

有機EL Switchはネオンブルーと赤のジョイコン+グレーのドックという組み合わせもありますが、白いジョイコンの方が明るい有機ELには合ってると思います。こちらはドックも白です。

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丸みを帯びたドックのデザイン、だからどうってこともないけど、見た目はナイス
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

ドックも初代と機能的にはほぼ同じで、ここに本体を置くと中身がHDMI経由でディスプレイに表示されます。ただ、ドックのコーナーが丸みを帯びてるのと、裏側のポート周りがもっと充実して使いやすくなったのが大きな変化です。

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背面パネルを完全に取り外せて、新たに加わったイーサネット含め、全ポートへのアクセスが簡単に
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

新ドックの裏側は、初代Switchみたいにヒンジで開閉するフタじゃなく、パカっと取り外せるパネルになりました。今までのドックって置き方によってはちょっと開けにくかったんですが、これでUSB-CとかHDMI、今回追加されたイーサネットポートへのアクセスがより簡単になりました。Wi-Fi接続がスムーズにいかない人にはうれしいアップグレードかもしれません。ただ、Switchのゲームをオンラインストアからダウンロードする時間がやたら長いのは多分Wi-Fiの問題じゃないので、有線接続しても本質的には改善しなさそうです。

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ドック背面の開口部が大きくなって、ケーブルを通しやすくなりました
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

背面パネルをくっつけた状態にも少し変化があります。背面パネルのケーブルを通す開口部が前より大きくなったので、いろいろ接続しやすくなったんです。僕はもうずっと前に初代Switchのドックのフタを無理やり外しちゃったんですが、こういうデザイン変更があるってことは、このストレスを感じてたのは僕だけじゃなかったんでしょうね。

その他もろもろアップグレード

Switch有機ELモデルには他にもより細かな改善点があります。それだけでは買い替える理由にはならないけど、ナイスであることに変わりありません。

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Switch 有機ELモデル(上)では、電源と音量ボタンが初代Switch(下)より長くなりました
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

Switch本体上部にある電源と音量ボタンが前よりほんの少し長くなり、微妙に識別しやすく、使いやすくなりました。内蔵ストレージは32GBから64GBへと倍増し、5,000円高くなったメリットが感じられます。バッテリーは2019年版Switchと同じで、ゲーム内容と画面の明るさ次第で4〜9時間持つとされてますが、有機ELは液晶よりずっとエネルギー効率が高いので、4〜9時間の長めの方になるんじゃないかと期待されます。

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有機EL Switchでもジョイコンのドリフト問題が発生するか?は未知数ですが、可能性はリアルにあります
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

初代Switchで問題になったジョイコンのドリフトですが、有機ELモデルでこの件に対応したっていう情報はないので、そこはすごく残念です。先代で解決できなかった問題が再発しそうな商品をそのまま出しちゃうとしたら厳しいですね。

買い替える価値ある?

今持ってるSwitchとかSwitch Liteに満足してて、新ゲーム機に4万円近く出したくないなぁって人は、有機EL Switchを買う必要ありません。僕みたいにほとんどドック経由でしかプレイしないって人も同様です。ゲームプレイもフレームレートも、それ以外のグラフィックス性能も、テレビの大きな画面で使う分には有機EL Switchになっても何も変わらないからです。

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手持ちでプレイすることが多い人には、抗いがたいアップグレード
Image: Andrew Liszewski – Gizmodo US

でも、Switchが究極の携帯ゲーム機になってる人、ほとんど手持ちモードでプレイしてる人には、有機EL Switchはまったく新しいデバイスみたいに思えることでしょう。『ゼルダ無双』も『スーパーマリオ オデッセイ』も新鮮に感じられて、まるで雨上がりに散歩したくなるように、もう1回その世界を探検してみたくなります。なんか新しいゲーム機買いたいなーって人も(Analogue Pocketをもう待てない!って人だったらなおさら)、有機EL Switch買ってみてがっかりすることはないと思います。

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