ゲームソフトの開発で知られるPanicが2019年に発表したクランク付きゲーム機「Playdate」。「Untitled Goose Game 〜いたずらガチョウがやって来た!〜」「Firewatch」などのゲームで知られる同社が発表した初のゲーム機ということで大きく注目された。
Playdateは、ABボタンと十字スイッチ、モノクロのスクリーン、そしてクランクを搭載した“アナログ”なゲーム機だ。ソフトウェアについては新しいタイトルが毎週配信される「シーズン方式」をとっており、19年時点では「塊魂」の高橋慶太が手がける『Crankin’s Time Travel Adventure』などの配信が決まっていた。『WIRED』日本版でも発表直後にいち早くPlaydateのプロトタイプでCrankin’s Time Travel Adventureをプレイし、クランクをくるくるできる日を首を長くして待ち望んでいたところであった。
その後しばらく大きな発表がなかったが、21年6月9日(日本時間)に公開された動画のなかで、ついにその全容が明らかになった。「Playdate Update」と名付けられた動画では、その価格や予約受付開始時期、ゲームタイトルや周辺機器などが新たに発表されている。
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予約開始は7月下旬
まずはスペックを見ていこう。Playdateは76mm四方、9mmのポケットサイズで、1ビットカラーの小型液晶画面と4GBのストレージを搭載している。付属の黄色いUSB-C-Aケーブルで充電する方式で、バッテリーのもちはゲームをプレイした場合で8時間、時計表示のみで最大14日間だ。
黄色の愛らしいボディには、十字ボタン、A+Bボタン、スリープ+メニューボタンのほか、3軸加速度センサーとクランクがついている。アナログな見た目だが、Wi-FiとBluetoothの両方に対応するという。価格は税別179ドル(約19,600円、送料別)で、予約開始は21年7月下旬予定だ。
シーズン1では24タイトルを配信
今回、「シーズン1」で配信されるゲームの内容も明らかになった。当初、ゲームは12週間にわたり週に1本が配信されると発表されていたが、それが週2本と倍になるという。なお、ゲームソフトの料金は本体価格に含まれている。
シーズン1で配信される24本のタイトルには、高橋慶太の「Crankin’s Time Travel Adventure」のほか、京都のインディーゲームスタジオChuhai Labsがつくるレトロなサーフィンゲーム「Whitewater Wipeout」やビー玉を転がして進めるヴィジュアルノヴェル「Lost Your Marbles」などが含まれる予定だ。
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さらに、ドキュメントスリラー「Papers, Please」や名作推理ゲーム「Return of the Obra Dinn」を手がけたルーカス・ポープがPlaydate用の新作「Mars After Midnight」を開発しており、今後配信予定だという。
黄色い“相棒”たちも発表
今回の発表では「Playdate Stereo Dock」と「Playdate Cover」というふたつの周辺機器も紹介された。
Playdate Stereo Dockは充電機能付きの卓上スタンドで、ステレオのBluetoothスピーカーにもなっている。「Poolsuite FM for Playdate」というアプリをPlaydateにダウンロードすれば、Playdateが選曲した曲の数々をこのスピーカーで流すことも可能だ。
Playdateの本体と同様にPlaydate Stereo Dockのデザインは、数多くのモジュラー型シンセサイザーを発表しているスウェーデンの電子楽器メーカーであるTeenage Engineeringが手がけている。発売日は未定だ。
Playdate Coverはネジと磁石でPlaydateを固定する専用カヴァー。7月末に29ドル(約3,200円)で予約を開始するという。
誰でもゲームをつくれるように
さらに、Panicは誰もがPlaydateのゲームを開発できるプラットフォームも開発中だ。無料でダウンロードできるmacOS、WindowsとLinux用のソフトウェア開発キットと、ウェブブラウザーだけでゲームを制作できる開発環境「Pulp」が用意される予定だという。
開発者向けのFAQによると、完成したゲームはすぐにPlaydateにサイドローディングし、開発者が好きな方法で販売できるという。ただし、Playdateのユーザーに向けて公式に配信する方法は検討中だとする旨の回答が載っている。
数々のヒット作を生み出してきたヴェテランゲームクリエイターから、初めてゲーム開発に挑戦する人まで、今後もさまざまな人の手によって成長していくであろうPlaydate。予約開始が待ち遠しい。
※『WIRED』によるゲームのレヴュー記事はこちら。
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