米製薬会社バイオジェンと日本の製薬大手エーザイが共同開発したアルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」について、米食品医薬品局(FDA)が条件付きで承認した。画期的な薬になると期待する声もあるが、FDAに助言する諮問委員会の委員が承認への抗議で辞任するなど科学界からは批判的な声も上がっている。兵庫県立ひょうごこころの医療センターの小田陽彦・認知症疾患医療センター長(老年精神医学)は「過剰な期待は危険」と慎重な見方をする。そのわけとは――。【林奈緒美】
微妙な効果
――認知症の一種であるアルツハイマー病は、明確ではないものの、脳の中に有害なたんぱく質である「アミロイドβ」(Aβ)が蓄積し、神経細胞を壊すことで発症すると一般的には考えられています。安全性や有効性を検証する二つの大規模臨床試験のうち、一つは有効性が証明されませんでしたが、もう一つで、1年半投与した患者のAβを59~71%減らし、認知症の進行スピードを2割ほど遅らせたといいます。FDAは承認する一方、追加の臨床試験も求めています。今回の承認について専門家としてどうみましたか。
◆アデュカヌマブは承認されないと思っていたので驚きました。統計的に有意な差が確認された方の臨床試験でも、プラセボ(偽薬)に比べて認知症の進行を少し遅らせただけの効果しかなく、進行が完全に止まるわけではありません。
確かに脳の画像検査で、Aβの沈着量は画期的に減りましたが、肝心の認知症症状の進行抑制効果が微妙なので承認…
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