楽天傘下の楽天モバイルは9月6日、独自のモバイル通話・通信サービスを10月から無料で試験提供すると発表した。通信ネットワークの安定稼働を確認した後、本格的な有料サービスを始める。10月1日から5000人をめどに利用者を受け付け、3月31日まで試験サービスを行う予定。
試験サービスでは、無制限の音声通話・データ通信を無料で提供する。10月時点では東京23区、名古屋市、大阪市で楽天の基地局を用いた通信サービスを提供。それ以外のエリアでの利用はKDDIのローミングでカバーする。
サービス提供対象者は、東京23区、名古屋市、大阪市の居住者。10月7日まで募集を行い、応募者多数の場合は抽選する。
楽天の三木谷浩史会長兼社長はこれに合わせ、独自端末の「Rakuten Mini」も発表。79グラムの小型スマートフォンで、「世界最小最薄のFelica搭載端末」(三木谷会長)という。電子的にSIMを入れ替えられる「eSIM」に対応する。
この端末や、楽天が提供していく端末が搭載する目玉アプリとして、IP通話やチャット、SMS、ゲームなどをまとめて提供する「楽天Link」も発表した。従来方式の音声通話も可能としつつ、三木谷会長は「メインで提供していくのはあくまで楽天Linkとなる」と説明した。
楽天は17年12月に携帯キャリア事業への参入を表明。18年4月には総務省から第4世代移動通信システム(4G)向けに1.7GHz帯の割り当てを受け、19年10月のサービス開始を予定していた。だが、総務省は19年3月、7月、8月と立て続けに楽天モバイルを行政指導。「3月末に提出を受けた基地局の整備計画に対し、6月時点で進捗に遅れが見られた」としていた。
基地局の整備について、楽天の武田和徳副社長は「標準の工程を作るのに時間がかかったが、NTTなどの協力を得ながら猛ラッシュで行っている。残り20日間の作業で10月の稼働に結びつけたい」と話した。
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2019-09-06 06:04:00Z
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1909/06/news101.html
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