Monday, April 3, 2023

インタビュー:国内地銀は十分な資本、米破綻銀と全く異なる ... - ロイター (Reuters Japan)

[東京 31日 ロイター] - 金融庁総合政策局の屋敷利紀審議官はロイターとのインタビューで、日本の地銀経営に関して、リスク管理体制や資産の運用方針などの面で米シリコンバレー銀行(SVB)など破綻した銀行とは全く異なると述べた。外債の含み損はあるものの、それを勘案しても十分な資本を有しているとした。

金融庁総合政策局の屋敷利紀審議官はロイターとのインタビューで、日本の地銀経営に関して、リスク管理体制や資産の運用方針などの面で米シリコンバレー銀行(SVB)など破綻した銀行とは全く異なると述べた。写真は2014年8月、東京で撮影(2023年 ロイター/Toru Hanai)

屋敷審議官は金融機関のモニタリングやマクロプルーデンス(金融システム全体のリスク把握)を担当している。

「日本の銀行セクターは引き続き非常に強いと断言できるし、日本の金融システムは十分に堅固なままだ。現在、日本の銀行の資本と流動性のポジションは、世界的な金融危機以前に比べてはるかに良くなっている」と強調した。

破綻したSVBには、1)資金調達を粘着性が低い少数の大口法人預金に依存していた、2)資金運用を主に満期保有債券で行っていた、3)リスク管理体制、内部統制がずさんだったーーという3つの大きな問題点があったと指摘。その比較で懸念が示される日本の地銀については「シリコンバレーバンク等とは全然違う」と話した。

預金に対する有価証券運用の比率は、SVBの約7割に対し、地銀は1―2割、せいぜい3割だという。また、地銀のリスク管理、内部統制については「金融庁が重層的に常時モニタリングしているし、流動性リスク管理については日本銀行とも連携してモニタリングしている」と述べた。

また、外国債券の含み損が多いとの懸念に対しては「確かに外債の含み損が大きいところはあるが、それを勘案してもなお、十分な資本を持っている」とした。SMBC日興証券によると、2022年12月末時点の上場地銀全行の外債は1.4兆円の含み損となっていた。

新体制下で日銀が金融緩和政策の変更に踏み切れば、金融機関の経営に大きく影響する。米国が1年間で金利をゼロから5%に引き上げたのに対し、日本では実施しても小幅な変更にとどまる可能性が高いものの、仮に日銀が政策を変更すれば「より注意深いモニタリングが必要になる」とした。SMBC日興証券は、単純計算で10年国債が今後1%になれば地銀の円債の含み損は、昨年12月末の1.4兆円から4兆円程度に増えると試算している。

規制強化の必要性については「今すぐに規制を見直すということは現時点では考えていない。そこは海外をみながら、対応していくことになる」とした。さらに、今回の事象を受けて、内部統制やリスク管理といったコーポレートガバナンスをしっかりとすることが非常に重要になると指摘した。

*インタビューは30日に実施しました。

(清水律子、山崎牧子)

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