学校法人日本大学理事長 林真理子
元理事長らの一連の不祥事により、失墜した本学の社会に対する信頼を回復させるため、昨年7月、酒井学長とともに理事長に就任して、9か月が経ちました。その間、教学優先に基軸を据え直し、学生・生徒ファーストの観点からの経営刷新を図ってまいりました。
一連の不祥事の一因とも指摘される、同質性が高く牽制機能の働かない組織からの脱却に向けて、理事・評議員を含め外部人材を登用しました。そして、ジェンダー・バランスにも配慮した経営陣を敷いたことで、理事会や評議員会など会議体での闊達な意見交換がなされるようになりました。
また、このたび、時代の要請もあり、新生日本大学として相応しい、「日本大学ダイバーシティ推進宣言」を制定したことも改革に向けての大きな動きです。
現在、医学部付属板橋病院建替計画の推進、お茶の水校舎カザルスホール活用推進の検討など、前体制下に残された課題は山積しておりますが、必要かつ十分な検討・検証の上に立った全学的な議論を踏まえ判断し、一歩ずつ着実に進めていきます。
日本大学として初めての海外拠点オーストラリア・ニューカッスルキャンパスも、理事会承認を経て、いよいよ動き出すこととなりました。前体制の負の遺産といわれるものですが、私たちの努力で、これを素晴らしい財産に変えることが出来ると信じています。
また、少子高齢化の進行による就学人口減少など、本学を取り巻く社会経済環境はますます厳しさを増しています。将来に渡り持続可能な総合大学の理想形をつくるため、日本大学未来構想推進体制を整備しました。ここは学部や付属校自身が将来を見据え、議論する場です。
未来に生き残りをかけた新生日本大学は、教職員はもとより、学生・生徒、保護者及び卒業生の皆様とともに50年後、100年後も広く社会に認知される「私学の雄」として活躍できる礎を築き上げていくことを、新年度に当たりここにお誓いいたします。
令和5年4月
日 本 大 学
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