「ロボットフレンドリー」という言葉をご存じだろうか。ロボットが働きやすい環境づくりを表す造語だ。最近はオフィスビルやファミリーレストランで、搬送や配膳のロボットを目にする機会が増えている。ロボットは人手不足解消の一助としても注目が集まり、官民連携で導入推進への動きもある。ロボットフレンドリー社会の実現に向けて課題は何か。2022年に発足した民間組織、一般社団法人ロボットフレンドリー施設推進機構(RFA、東京・港)の脇谷勉代表理事に聞いた。
ロボットフレンドリーの考え方について教えてください。
脇谷勉ロボットフレンドリー施設推進機構代表理事(以下、脇谷氏):ロボットというと、工場や倉庫の中でひたすら同じ作業を行う産業用ロボットを思い浮かべる人も多いかと思います。しかし、ロボットフレンドリーは生活空間におけるロボットの適用を意味します。運送や清掃、警備、案内用のロボットなどが挙げられます。専門的な知識を持たない一般の人々でも使えることを前提としています。
ロボットフレンドリー施設推進機構(RFA)の脇谷勉代表理事。RFAにはトヨタ自動車、パナソニックホールディングス(HD)など正会員37社と賛助会員として2社が加盟している
規格やルールの整備が必要
日常でロボットを目にする機会が増えています。現状をどう捉えていますか。
脇谷氏:ロボットに対する人々の興味・関心は高まっていると感じています。しかし、一気に社会で実装していくような段階にはまだ達していません。現状のロボットの機能は単一的で、複雑な作業は困難です。例えば、ロボット単体でドアを開けたり、ゲートを通過したり、エレベーターに乗ったりするのは難しい。
ロボットによっては小さな段差や隙間、傾斜などを越えることができずに止まってしまうこともあり、物理的な環境整備も必要です。ロボットを活用するためにかえって多くの人員を割かなければならず、結果的にロボットを日常的なサービスに組み込むのが厳しい状態です。
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