厚生労働省は、2024年度から始める次期の国民健康づくり計画「健康日本21」で定める数値目標を固めた。十分な睡眠時間を確保できている人の割合を32年度に60%と、現状より約5ポイント増やすほか、過剰摂取が指摘される食塩の量は1日あたり10・1グラムから7グラム未満に減らすことなどを目指す。女性の健康にも重点を置く。次期計画は専門家部会の了承を経て、6月に決定される見通しだ。
厚労省によると、健康上の問題がなく日常生活を送れる「健康寿命」は、19年時点で男性が72・68歳、女性が75・38歳となっている。
健康日本21は、健康寿命を延ばすことを目的とし、生活習慣病の予防や食事、運動などの目標を設定している。国の基本方針を踏まえ、各都道府県が計画を策定し、実現に向けた対策を進める。第3次となる次期計画は約50項目の目標を掲げる方針だ。
近年の研究で睡眠不足は心身の不調に関係し、寿命に影響することが分かってきた。日本人の平均睡眠時間は、男性が7時間52分、女性が7時間33分で、海外と比べ短くなっている。個人差などもあるが、6~9時間(60歳以上は6~8時間)を「十分な睡眠時間」と設定し、確保できている人の割合は60%を達成することを目指す。
食生活の改善では、野菜や果物の摂取量を増やすと、循環器病による死亡率が低下するとされる。1日あたりの野菜摂取量は現状より約70グラム多い350グラム、果物は約2倍の200グラムをそれぞれ目標とする。
足腰が衰える「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」を防ぐため、要因の一つになる足腰に痛みのある65歳以上の高齢者を1割減らす。心身に好影響を与える「地域の人とのつながり」は、強いと思う人の割合を45%と約5ポイント上げる目標も設定する。
女性に関する項目を新設し、骨折のリスクを高める「骨粗しょう症」の検診受診率を15%と現状より約10ポイント引き上げるほか、若い女性のやせすぎが問題となるなか、「若年女性のやせ」を減らす。
厚労省の担当者は「国と自治体で連携し、健康づくりや環境整備を推進したい。国民には高齢になっても元気に暮らせるよう、各目標を参考に生活習慣を改善してほしい」と話している。
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