Wednesday, June 9, 2021

「リモハラ」「テレハラ」の誤解を生まない作法 - ITmedia エグゼクティブ

長引くリモートワーク

『職場の「感情」論』

 コロナ禍の長期化に伴って、リモートワークもだいぶ一般化してきた。リモートワークには当然ながらメリットとデメリットとがある。リモートでの働き方に移行してから数カ月の間は、どちらかといえば、メリットの方を多くの人が感じたようであり、時間がたつにつれ徐々に、問題点が顕在化してきた感がある。

 享受できたメリットの中でも、通勤の苦痛から逃れられたことが、多くの人にとって大きなインパクトを与えたことは間違いないであろう。時間的にも余裕をもって仕事に入ることができ、好きな音楽をかけて仕事ができるし、自分の時間を柔軟に調整もできる。誰にも邪魔されずに、仕事に集中できる。「在宅勤務は意外と楽しい」と思った人は多いに違いない。

 こうした環境が数カ月くらいであったなら、メリットのみを強く実感して終わったのかもしれない。しかし、予想外に延長されることとなり、いつ終わるとも知れない状況となり、リモートワーカーたちの不安や疲労も蓄積し、徐々にデメリットの面がクローズアップされていった。

「リモハラ」「テレハラ」が新たに発生

 リモートワークになり、自由な働き方が実現したかと思いきや、会社による過剰な「監視」に悩まされている人が多いとも聞く。極端な例としては、自宅PCのカメラを終日オンにしておくように命じられたり、PCの操作状況を遠隔で監視し続けていたりということもあるらしい。

 仕事時間中なのだから仕方ないという見方もあるかもしれないが、オフィスでも終始近くから見続けられているわけではない。ましてやプライベート空間である自宅で仕事をしているわけなので、そのような監視は大変なストレスとなるに違いない。ただでさえ、外出自粛が要請されている中では、気晴らしもなかなかできず、ストレスはどんどん蓄積されていくことになる。

 昨今、何でもハラスメント化するのが通例となっている感があるが、早速、「リモハラ」や「テレハラ」といった呼び名も出てきた。「リモハラ」「テレハラ」には、パワハラの側面と、セクハラの側面とがあるようだ。私生活について執拗に問われたり、説教をされたりする、または、同居人の声や生活音について不快感を示されるなどのパワハラ的なもの。一方で、室内の様子についていろいろ言われたり、服装や化粧の有無について指摘されたりするなどのセクハラ的なものとがある。ハラスメントに関する意識には人によって差があることが難しい点だ。

 仕事とプライベートの境界線が曖昧になっていることや、Webでのカメラを通して互いの私生活が垣間見えること、言語外のコミュニケーションが困難なことなどにより、ハラスメント的行為は発生しやすい環境となっている。またリモートワーカーはさまざまな不安や疲労でストレスが蓄積していることにも注意が必要だ。

8割の人がリモートでの上司とのコミュニケーションにストレスを感じている

 ダイヤモンド・コンサルティングオフィス合同会社が、テレワーク業務で上司とコミュニケーションを取っている会社員110人を対象に行ったインターネットによるアンケート調査(2020年6月)によると、「あなたは在宅でのテレワークに際して、上司とのコミュニケーションでストレスや不快感を感じたことはありますか?」と質問したところ、「何度もある」が41.8%、「ある」が37.2%という結果となり、約80%の人がストレスを感じていることが分かった。

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