中国で最も貧しいといわれる街でひときわ目を引く「巨大廃虚」。一体何なのでしょうか?
▽謎の巨大廃虚。その正体は?
中国・貴州省。「最も貧しい」と言われてきたこの場所に、似つかわしくない巨大な建物があります。
テレビ朝日中国総局長 千々岩 森生
「壁が抜け落ちています。そして奥のほうも何もないですね。本当に廃虚です」
地元政府が観光の目玉にしようと68億円をかけて建設しましたが、工事は1年以上も止まったまま。
巨大な無駄はまだまだあります。
「すごい建物が現れました。どでかい、そして変わった形をしています。」
高さ100mの超大型複合施設。総工費は40億円に上るということですがー
「解体作業をしています。これ壊してしまうんでしょうか。」
なぜこのような事態に陥ったのでしょうか?
▽「脱貧困」のはずが…残された巨額負債
背景にあるのが、習近平政権が2020年までに達成するとした「脱貧困」の国家目標です。各地の地方政府は、目標達成のため観光開発などのビッグプロジェクトを次々と立ち上げ、過剰な投資を続けました。
しかし、無理がたたり計画は次々とん挫。ここ独山ではトップが収賄罪などで逮捕され、住民にはこの「巨大な廃虚」と7000億円にも上る「巨大な負債」が残されました。しかし、皮肉にも独山では、「豪華すぎる廃虚」として話題となっています。
観光客
「失敗なんて気にするな 完璧な人間なんていないんだから」
専門家は今後もこのような廃虚が増える可能性があると指摘します。
東京大学 農村社会学 田原史起教授
「(貧しい)人々は言論の自由とか政治的な権利は興味がないんですね。生活が豊かになることこそが大事なので(中央政府が)かなり大々的に資金を投入して底辺の部分を引き上げようと。(過剰投資など)問題が起きる時はたいてい地方の幹部に責任がいってしまう。地方の幹部と末端の村の幹部がちゃんとしないからダメなんだと。幹部制度が変わらない限り同じことは構造的には起こりうる。」
6月6日『サンデーステーション』より
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