Wednesday, September 2, 2020

社説 総裁選の候補者 政権総括し政策の議論を - 信濃毎日新聞

 自民党総裁選の構図が固まった。

 きのう、菅義偉官房長官が立候補を正式に表明した。岸田文雄政調会長、石破茂元幹事長も出馬する。

 安倍晋三首相の後継を事実上決める重要な選挙だ。政権の政策を総括し、継続するのか、修正するのかを争点にする必要がある。

 安倍政権の経済対策は株価を押し上げたものの、労働者の賃金に十分に反映されず、デフレを脱却できていない。東京一極集中の是正は進まず、少子高齢化対策や財政再建も先行きは見えない。

 コロナ対策は迷走し、支持率低下の要因になった。公文書破棄や改ざんも相次ぎ、情報公開の姿勢など政治手法も問われる。

 それなのに菅氏が政権構想や出馬を表明する前の段階で、党内の主要5派閥が支持を決めている。議員票の7割を超えている。

 菅氏支持に雪崩を打つ状況は、現在の権力構造を維持し、勝ち馬に乗りたい派閥の論理がにじみ出ている。政策論争をないがしろにして、密室で選ぶのは看過できない。国民理解も得られまい。

 党総務会は党内の根強い反対を押し切り、全国一斉の党員・党友投票を実施しないことも決めた。

 安倍首相に批判的な言動を繰り返してきた石破氏は地方の人気が高いとされ、過去の総裁選でも党員・党友投票で高い得票率を得てきた。「石破外し」の側面は否定できない。党員・党友投票の省略は新総裁の正統性にも疑問がつきかねない。

 3人の候補は、従来政策の総括と今後の方針を明確に示して議論し、各議員が今後の政府を託せる人物を選択するのが筋だ。各都道府県連は可能な限り党員の声を聞く「予備選」を実施し、投票に反映させることが必要だ。

 岸田氏は「分断から協調」、石破氏は「納得と共感」を訴えている。相次いだ不祥事に十分な説明をせず、不信感を高めた安倍政権の政治手法を変えるのか。

 コロナ対策では岸田氏はPCR検査数の増加、石破氏は都道府県への権限移譲などを主張した。

 菅氏は会見で「安倍政権の取り組みをしっかり継承する」と述べ、森友、加計学園などは解決済みとの姿勢だ。安倍政権の不十分な点は口にせず、独自色もほとんど打ち出さなかった。批判を受けたコロナ対策も改善点を示していない。会見は内容が乏しかった。

 アベノミクス継続の是非や改善点、消費税や社会保障、安全保障など論点は多い。公開討論などで具体策を示すべきだ。

(9月3日)

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