能登半島地震の被災地では避難生活が続き、被災者の負担も大きくなっている。それを少しでも和らげる上で効果が期待できるのが「睡眠」だ。日本睡眠学会の理事長を務める、久留米大(福岡県久留米市)の内村直尚学長は「睡眠が十分取れないと、免疫力が低下して、感染リスクが高まる」と話し、睡眠環境をできるだけ良くする大切さを呼びかけている。
浅い眠りの「レム睡眠」の時に、嫌な経験や記憶を消す効果があると考えられている。睡眠は心的外傷後ストレス障害(PTSD)の予防にもつながる。眠ることは、大変な状況の中で自分を守るために欠かせない。
だが、体育館や学校の教室など、広いスペースに集団で生活する避難所は夜でも明るく、人の声やいびきなどが聞こえる。その上、被災地の石川県・能登半島は最低気温が氷点下になる日があるなど連日寒い。
こうした中で、内村さんは「寝る時には、まず体を冷やさないこと」と指摘する。床が冷えているため、段ボールを敷いて体の熱を奪われないようにすることが重要だ。「目はアイマスクで光を遮るか、なければタオルで目隠しを。耳栓があれば使った方がいい」
また、十分な睡眠を取るには「朝起きて光を浴びるのがいい」。夜の睡眠を促すホルモン「メラトニン」が体内で作られるからだ。メラトニンは、光を浴びて16時間後に分泌されやすくなる。午後10時ごろに寝る場合、午前6時ごろに起きればいいという。
注意しなければならないのが飲酒だ。アルコールには覚醒作用があり、睡眠が浅くなる。「眠れないからといってアルコールに頼ると、睡眠障害になりかねないので避けてほしい」と話している。【足立旬子】
からの記事と詳細 ( 避難所生活「十分な睡眠が大切」 専門家に聞く、寝る時の注意点 - 毎日新聞 )
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